⑦発表会までの流れ
2019.02.04
バレエ教師が伝えたい バレエのレッスン疑問点 no.43
バレエを習い始める前に知っておきたいこと
⑦ 発表会までの流れ
憧れのバレエの発表会
綺麗な衣裳を着て、照明を浴びて、観客の前で踊る・・・
バレエ教師としては、バレエを習っている方には是非経験していただきたいことです。
以前にもお話いたしましたが、
バレエはスポーツではなく芸術です。
表現することに最終目標があります。
その最終目標のために毎日体幹を鍛え、地道な基礎レッスンの反復練習をして、思いのままに動くことができる身体を作ります。
バレエを習っている方にとっては、その最終目標が発表会なのです。
ですので、日々のレッスンやトレーニングを行うだけではバレエではないのです。
物語の登場人物になって踊ることや、ストーリーの設定の無い場合でも、音楽や照明、衣裳などから受けるイメージだったり、メッセージだったりを言葉ではなく身体の動きで表現して踊ることがバレエなのです。
バレエ教師として、日々のレッスンや発表会のリハーサルを頑張っている生徒を見ていると、どちらも同じように頑張っているのですが、発表会のリハーサルは楽しそうです。
上級クラスになってくると技術的に難しくなるので、どうしても上手に踊れないときなど悔しかったり、落ち込んだりという感情も感じられます。
それらの苦悩を乗り越えて発表会を終えた生徒はとても成長しますし、生徒自身も苦しかったけど頑張って良かった。と、笑顔で楽しそうに話してくれます。
最終目標の発表会が終わると、みなさん成長してレベルアップしていますので、それぞれの最終目標も次のレベルに上がります。
発表会を経験してどんどんレベルアップしていただきたいですね。
最終目標の発表会、日々のレッスンを続けていくだけでは発表会で踊ることはできません。
発表会用のレッスン・・・リハーサルをしていかないと踊ることはできません。
*発表会までの流れ*
発表会までの流れをスケジュール的なことからお話します。
1)意思確認
発表会に出演するかどうか決心して、意思表示する(出演申込書など)
・・・発表会に出演する決心をしたら途中で辞めない・くじけない・諦めないことが大切です。ここから先の事を良く理解して決心を決めてください。
2)配役、リハーサル日程の確認
リハーサルが始まる前に配役の決定があり、リハーサル日程が発表されます。
全部一度に発表される場合もありますが、順番に少しずつという場合もあります。リハーサルなどは変更がある場合もありますので、発表されることは全てチェックし、漏れの無いようにします。
3)振付
リハーサルの初めは振付です。
まずは音楽に合わせてどういう動きをするのか覚えます。
舞台という空間をどのように移動して動くかも把握します。ソロ(1人で踊ること)の場合は自分1人なので自分が振付に参加すれば良いのですが、2人以上で踊る場合は1人でも欠けると空間での隊形や移動経路がわかりにくくなるので振付が成り立ちません。
4)採寸
発表会に参加意思表示から振付の間に採寸をします。
衣裳を決めるために身体のサイズを測ります。
通常は、身長・バスト・ウエスト・ヒップ・背丈
衣裳によっては、ガウス(肩からまたの下を通って肩への一周のサイズ)・スカート丈(スカートタイプの衣裳の場合はウエストから膝までとか、脹脛までとか、足首までとか)・袖丈(袖の長い衣裳の場合は肩の横の骨から肘までとか、肘を軽く曲げてヒジを通って手首までとか)も測ります。
オーダーメイドの衣裳の場合はもっと細かく身体中のサイズを測ります。
バレエシューズも教室でまとめて注文される場合はバレエシューズのサイズも測ります。
5)リハーサル
振付られた動きを音楽に合わせて、一緒に踊る人と合わせて踊りにしていきます。
これも2人以上で踊る場合は1人でも欠けたら、他の人に迷惑をかけてしまいます。
動きを合わせるだけでなく、気持ちも合わせていきます。
6)衣裳合わせ
オーダーメイドの場合は仮縫いなど細々とした合わせが何回もあります。
レンタル衣裳の場合は、S・M・Lなど基本サイズで作ってある衣裳で本人に一番近いサイズの衣裳を合わせます。
ピッタリのサイズということは滅多にありませんので、衣裳を自分の身体に合わせて直していきます。
レンタル衣裳はあくまで発表会まで借りている衣裳です。発表会が終わったら返却します。
返却する時には借りた時の状態に戻して返却しますので、借りた時の状態に戻せるような直し方をしてください。
基本的には手縫いで直していきます。
7)衣裳付きリハーサル
衣裳を着てリハーサルをして、不都合が無いか確認します。
衣裳を何着も着替える場合は、着替えの時間が間に合うのかも確認します。
衣裳付属の頭飾りや小物なども同時に確認します。
8)照明合わせ
発表会の舞台進行スタッフがリハーサルを見て手順を確認します。
照明合わせの前に教室の先生や振付家が事前にスタッフと打ち合わせをしています。
照明合わせではその打合せしたことを実際に見て確認をして、無理なところなどは変更します。
大道具などの舞台セットの場所の説明があり、踊っていくうえで移動経路や踊るスペースなどの確認をします。
9)総合リハーサル
衣裳合わせ、照明合わせで確認したことを考えながら発表会に向けてリハーサルしていきます。
出演者全員の気持ちも合わせていきます。全員で一つの発表会を創り上げる意識が大切です。
10)舞台リハーサル、場当たり、舞台稽古
舞台の上で行うリハーサルです。通常は発表会の前日や当日に行います。
場当たり
舞台のどの場所で踊るのか位置確認をします。
衣裳を着ます・・・衣裳のサイズで位置感覚が変わってきます
明かり合わせ
どのタイミングでどんな照明になるのか確認します。
衣裳を着ます・・・照明と衣裳とのバランスをみます。
場当たりと明かり合わせを同時に行う場合もあります。
舞台リハーサル
舞台の上でのリハーサル。袖幕からの出入り、衣裳の着替えなど不都合が無いか確認します。
舞台稽古
本番と同じように最初から最後まで通します。
本番と同じように進行していくので、アクシデントがあった時にどのように対処するのかも考えます。
ここまで綿密にリハーサルを行い、発表会の幕が開きます。
どのリハーサルも基本的に全員参加です。誰一人欠けても成立しません。
どうしても欠席しなければいけない状況になった時は、他の方々に物凄く迷惑をかけるということを理解して欠席してください。
そして舞台進行スタッフとは照明合わせと舞台でのリハーサルが始まってからしか、出演者とは一緒になりませんが、それよりずっと前から教室の先生や振付家などと打ち合わせをして準備を始めています。
舞台進行スタッフがいなければ発表会は出来ません。
スタッフに感謝の気持ちを持ち、出演者1人1人が精一杯の努力で踊ることで感謝の気持ちを伝えることになると思います。
出演者の一生懸命な踊りとスタッフのそれに応えようとする気持ちが合うと、それがまたパワーとなってお客様に届き、お客様に感動を与えることができるのだと思います。
そんな経験をすることで踊りの技術だけでなく、精神的にも確実に成長できると思います。
日々のレッスンだけでは得ることはできないと思いませんか?
バレエ教師としては、バレエの最終目標である発表会に出演して技術的にも、精神的にもレベルアップしていただきたいと思っています。
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瀬間亜理砂バレエ教室
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