②センターレッスンの流れ
2019.10.28
バレエ教師が伝えたい バレエのレッスン疑問点 no.81
センターレッスンの流れ
②センターレッスンの流れ
バレエのレッスンは、バーを使った『バーレッスン』をした後、フロアで動く『センターレッスン』という流れで行います
バーレッスン、センターレッスンともに、基礎となる動きを一通り網羅するため、内容と順番はほぼ決まっています
レッスン受講者のレベルやレッスンの目的、レッスン時間によりアレンジされますが
*どこの教室でも
*初心者向けでも
*プロのカンパニーでも
*海外でも
基本の流れは変わりません
レッスンが進むに従い、徐々に身体への負荷が大きい動きになっていきます
☆身体を動かす範囲が大きくなる
☆身体を動かす速度が早く(または非常に遅く)なる
☆身体の動かし方が細かくなる
・・・とイメージしてみてください
*バーレッスン*
バレエを踊るのに必要不可欠な”身体の軸”を作るためのレッスンです
ゆっくり一つずつ地味な動きの繰り返しなので、バーレッスンがウォーミングアップだと勘違いしている方も多いかもしれませんが、決してそうではありません
自分の身体と向き合い、基本の動きを繰り返して強い軸でコントロールしながら伸びやかで優美な動きができるようにしていきます
プロのバレエダンサーたちが、どんなことがあろうとバーレッスンを欠かさないのはバレエを踊る身体を作るのにとても重要なレッスンだからです
*センターレッスン*
センター(中央)でレッスンします
フロアーの真ん中で、バーレッスンでやった動きをバー無しで動きます
手を置いていたバーが無いので、アームスも両手とも使い、それに加えてターン(回る動き)やジャンプなど、全体的に躍動感が増してきて、大きく激しい動きの練習をしていきます
バーという支えがないので自分で身体をコントロールさせて踊ります
逆の言い方をすると
センターレッスンで自分の身体をコントロールできるようにバーレッスンを行います
ジャンプしたり回転したり、技術も難しくなりますが
センターレッスンの一番の目的は空間認識です
☆正面に対して自分がどちらを向いて踊っているのか
☆稽古場の中のどの位置から踊り始め、どちらに進んでいくのか
☆一緒に踊る人がいる場合、その人との距離を保つためには・・・
などなど
そしてバーという手がかり無く行うセンターでのレッスンは
※立ち方
※姿勢
※身体の引き上げ
などの基本が出来ていないと・・・
※手や足を少しでも動かそうとした途端に身体ががくがく揺れてしまう
※立っていることで精一杯になり手や足を動かすことすらできない
ということになってしまいます
また、単語と単語を助詞でつないで文章ができあがるように
センターでの動きでは
パ(動作)とパの間の『つなぎ』の動きも
とても重要になります
一つ一つのパを美しく正確に行うだけでなく
『つなぎ』である移動
向きやポジションの変換まで
美しくスムーズであること
で初めて『踊り』となります
私たちが普段話している言葉も単語だけ繋げただけでは意味は伝わるかもしれませんが
たどたどしいと感じたり
ガチガチで堅苦しく感じたり
威圧的に感じたり・・・します
助詞や助動詞、形容詞などうまく取り入れ離すことで、きれいな日本語を話すことができます
バレエも同じようなイメージで『メインのパ』だけでなく
『つなぎのパ』や『ポジションの移動経路』などしっかり使い
きれいに踊っていくことを意識しましょう!!
バーレッスンで身体のポジションやアン・デオールなどを最大限に注意する
↓
少しバーの力を借りて身体を修正していき軸をつくる
↓
センターレッスンで修正したポジションなどを使い身体に覚えさせる
↓
正確なパからパへのスムーズな動きを反復練習
↓
バレエの技術のレベルアップ
↓
発表会などステージで『踊る』『表現する』ステージングにつなげていく
理解せずただただレッスンを行うだけではなにも上達しませんので、毎回毎回のレッスンで身体だけでなく頭も使ってしっかり上達できるように頑張りましょう
*レヴェランス*
レッスンの最後は必ず『レヴェランス』です
センターでのレッスンが終了すると、一番最後に『レヴェランス』と呼ばれるお辞儀をします
レヴェランス
reverance・・・フランス語 崇高なものや偉大な人を、おそれうやまうこと の意
尊敬よりさらに段階の高い崇敬の意を表す言葉です
バレエにおいては
崇敬の想いを込めて行うお辞儀を指すことがほとんどです
発表会などでダンサーがお客様に対してお辞儀をすることも『レヴェランス』です
パ・ド・ドゥ(男女で組んで踊ること)の最後もお客様に対して『レヴェランス』はもちろんですが、パートナーに対しても『レヴェランス』しています
レッスン終了後のレヴェランスは、講師やピアノ奏者に対して、また、範囲を広げて、共にレッスンした仲間、健康にレッスンを受けることができた自分自身に対して行う、と言われます
自分がバレエのレッスンを受けに来られているということは
☆教えてくれる人や場所
☆スタジオの環境を整えてくれる人
☆自分自身の健康状態や環境
など、さまざまな条件がそろったうえで叶っていることなのです!
特定の人に向かってというよりは
それら全てのことに感謝!という気持ちでレヴェランスをおこないましょう!!
*センターレッスンの流れ*
センターレッスンの流れはバーレッスンに比べてより流動的です
以下にセンターレッスンに含まれる一般的な要素を挙げましたが、順にということではなく、各要素を組み合わせて一連の流れとして行われます
そして含まれる要素は以下の限りではなく、他にも多数あります
*アダジオ(デベロペなど)*
バーレッスンの終盤でおこなったアダジオを、センターレッスンでも行います
バーが無い状態でのデヴェロッペやパンシェはより引き上げの意識が重要となります
☆自分の中心となる部分ががどこにあるか考える練習になります
*タンデュ* *ジュテ*
タンデュやジュテを含んだアンシェヌマン
上体の角度を変えたり、腕のポジションを細かく変えたり、バーレッスンの時よりも、複雑な動きとなります
☆バーから離れた状態で身体のポジションが正しくできているか
☆正しく脚を使えているかなど脚を強化
☆ぶれない軸足を作る
などの練習になります
*ピルエット*
アンシェヌマンのなかに、ピルエット(回転)が入ってきます
ワルツやピルエットのコンビネーションで動くことで
☆踊りながらテクニックの練習と同時に上半身の使い方
を学びます
*フォンデュ*
バーレッスンと同様、プリエを使ってやわらかく動きます
上級クラスになると軸足をルルべにすることもあります
バーから離れた状態でのフォンデュは
☆身体をさらに引き上げる力をつける
☆片足でしっかり立つ
☆身体をどういう風に引き上げればいいか
などの練習になります
*グラン・バットマン*
身体の方向を変えながらグラン・バットマンするなど、センターレッスンならでは大きな動きのアンシェヌマンとなります
ジャンプなどで使うグランバットマンを
☆ぶれない軸でどれだけできるか
☆上半身の強化
☆強い軸足と身体の中心を確認しながら、勢いのあるグランバットマンでも身体をキープしていられるか
など大きく身体を動かしていくための練習です
*小さめのジャンプ(シャンジュマンなど)*
ジャンプの強化になります
速い音楽にあわせて、シャンジュマンやアントルシャを繰り返します
その場で軽いジャンプです
*中くらいのジャンプ アレグロ(アッサンブレなど)*
アッサンブレやブリゼ、パ・ド・シャなどを含んだアンシェヌマンをおこないます
つなぎの動き、グリッサードやシャッセ、パ・ド・ブーレも出てきます
*やや大きめのジャンプ(シソンヌ・フェルメなど)*
シソンヌ・フェルメ、フェッテ・ソテ、カブリオールなど、大きなジャンプが徐々にでてきます
これらのジャンプで
☆バーレッスン、センターレッスンで作った強い足裏や伸びやかな筋肉を使います
シャンジュマン、エシャッペ、アッサンブレ、ジュテ、ウーヴェルトなどすべてやることが望ましいのですが、時間の関係などで必要最低限のものをやる場合が多いです
そしてアレグロで跳ぶ感覚を掴んだら次はグランジャンプ(大きなジャンプ)です
*グラン・ワルツ(グラン・パ・ド・シャなど)*
さらに大きなジャンプのアンシェヌマンをおこないます
グラン・パ・ド・シャや、グラン・ジュテなどを含んだアンシェヌマンです
☆フロアを大きく使って、ダイナミックなジャンプを交えながら、少し長く・複雑なアンシェヌマンになることが多いです
こうしてバレエのレッスンの中で身体が踊れる状態に近づきすぐにリハーサルをしても、正しいポジションで踊ることができるのです
*マネージュ(ジュテ・アントルラセ/ピケ・ターンなど)*
『マネージュ』とは、フロアの使い方のことで、円を描くように進むこと
ピケ・ターンを繰り返しながら進んだり、ジャンプで進んだりします
*グラン・フェッテ*
片脚立ちで、繰り返しターンする動き
『白鳥の湖』の黒鳥が32回転する場面が有名です
レッスンでも、最後の締めのようなかたちで、32回転のグラン・フェッテをおこなうことがあります
*レヴェランス*
レヴェランスは、音楽に合わせてアンシェヌマンでおこなう場合や、ただレヴェランスだけをする場合とあります
センターレッスンの流れをざっと挙げてみました
パの用語など多数出てきたので難しいと感じられたかもしれません
次回からセンターレッスンの流れに沿って、そこで出てくるパの解説が始まります
パの手順から身体の使い方、注意点など
詳しく解説していきますのでお楽しみに!!
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レッスンアンシェヌマン(順序)を
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いつもレッスンを受けているのに自習をしようとしたら、レッスンの順番がわからない時などありませんか?
バーレッスンやセンターレッスンの順序(アンシェヌマン)の説明している動画をアップしています
☆私が今まで受けてきたレッスンの中から抜粋して作っています
☆アンシェヌマン(順序)を説明しているだけの動画ですので右側だけとか、前からの順序だけだったりします
☆バーレッスンからセンターレッスンまで1つのクラスレッスンになっています
自習する時などに使ってくださいね
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バレエ初心者の方でもできるバレエに必要な体幹トレーニングやストレッチもアップしていますので
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是非、ご覧ください
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オンライン動画講座の良い所は・・・
*レッスンやブログでお話していることを図や動画で説明していますので、言葉だけよりも解りやすい
*レッスンのように音楽に合わせて動画と一緒にトレーニング
*トレーニング回数を数え、耐えながらトレーニングをするのではなく、レッスンのように意識することや注意点など聞きながらトレーニングを行うので、イメージしやすい
*今までは、レッスンに行かなければ受講できなかったことが
ご自宅で
お好きな時間に
ちょっとした空き時間を利用して
トレーニング1つから出来る
聞き逃した時も見直せる
月会費は月謝のように毎月課金、その他のものは買い切りで、登録を解除するまでずっと見ることができます
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11月のレッスンスケジュール
2019.10.24
11月4日(月・祝) レッスンお休みです
※月謝で受講される方は少しずれていますのでご注意ください
月曜日:10/28、11/11、18、25・・・10/28は11/4の振替
火曜日:11/5、12、19、26・・・11/5は『床の上でのバレエ』レッスン
木曜日:10/31、11/7、14、21、28・・・11/28は12月分の振替
月謝で受講される方は
10/31、11/7、14、21が11月分のレッスンになります
金曜日:11/1、8、15、22、29・・・11/29は12月分の振替
月謝で受講される方は
11/1、8、15、22が11月分のレッスンになります
土曜日:11/2、9、16、23、30
ただいま 有松教室、伏見教室ともに
新入会 生徒募集中!です
ホームページから体験レッスンを申し込んでいただくと
1回無料で受講していただけます
(パーソナルレッスンは有料 体験レッスン1回2000円/1時間)
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火曜日 11/5 10:00~12:00 伏見教室
毎木曜日 19:00~20:00 プライベート教室
『床の上でのバレエ』~バレエに必要な体幹トレーニング~
床に座ったり、寝たりしながら体幹の深層筋を鍛え、身体の使い方を覚えるレッスンです
受講される方は、靴下や足裏に穴が開いているバレエタイツなど、足先が裸足になれるようにしてください
※ヨガマットやバスタオルなどご持参ください
☆髪の毛にムースやジェル、スプレーなどを付けた状態で寝転ぶと床が滑る原因になります
頭の下にタオルをひくなど、ご配慮をお願いします
☆スーパーボールやストレッチバンドなどお持ちの方は持参してください
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火曜日、土曜日の伏見教室 クラスレッスン(初級)
木曜日19:00のプライベート教室 『床の上でのバレエ』クラスは
オープンクラスです
どなたでも受講できます
伏見教室:ビジター2,200円/1回、6枚綴りチケット9,000円/3ヶ月有効
プライベート教室:1,500円/1回
※オープンクラスには通常 無料体験レッスンはありませんが、
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①方向の用語
2019.10.21
バレエ教師が伝えたい バレエのレッスン疑問点 no.80
センターレッスンの流れ
①方向の用語
センターレッスンを始める前に、まずは方向のお話です
バレエはポジションがきちんと決まっていて、ポジションからポジションへの移動経路もきちんと決まっています
踊るときの身体の向きや進んでいく方角などもきちんと決められているのです
そして、決められた身体の向きに対してどんなポーズに手足を出すのかそれぞれ用語があります
バレエの用語はフランス語からきている用語が多いので、聞いただけではパッと理解することは難しいです
レッスンの時に先生からの声掛けが動きや方向の説明をされているのか、自分への指導の声掛けなのか…
用語の意味がわかるとレッスンで先生からの声掛けにアタフタしなくなりますね
*8つの方角*
バレエでは正確で美しいポジションを作るため、また、バレリーナがそれぞれの立っている位置にかかわらず方角に関して共通の認識を持つために8つの方角が決められています
方角に対しての番号はメソッド(教授法)によって違いますが
正面を起点として360度を45度ずつ8つの方角に割ります
自分の前後左右とその間の斜めの方向です
この時大切なのは、自分が正方形の中心に立っていると考えることです
大体のレッスンスタジオや劇場の舞台は長方形ですので、斜めの角度をスタジオや舞台のコーナーに向いてしまうと正確な45度の角度ではなくなってしまいます
この8つの方角を常に頭の中で考えながら正確な角度にコントロールして踊る感覚を身に着けると、それぞれのパのポジションも正確になり、踊りがスッキリしてきます
*アン・ファス*
en face・・・フランス語 正面で の意
face・・・顔、表、正面 の意
バレエにおいては
身体の向きを観客に対して真正面に向けるポジションを指します
図の1の方角です
*クロワゼ*
croisé ・・・フランス語 交差した、十字の の意
英語の cross =クロス にあたります
*エファセ*
effacé ・・・フランス語 消す、引っ込める、控えめな の意
*エカルテ*
écarté ・・・フランス語 広げた、間を離した の意
上記の3つともバレエにおいては
身体の向きを観客に対して斜め45度にとるポジションを指します
図の2 4 6 8 の方角です
違いは脚がどうなっているかです
*クロワゼ*
身体の向きを観客に対して斜め45度にとり、正面(観客)から見たときにバレリーナの脚が交差しているポジション
例)図で8の方角に向き右脚が前になるようなポジション
8の方角に向き、右脚前5番ポジションや8の方角に向き左脚後ろへ出した第3アラベスクなど
※斜めの角度すべてにあり得ます
*エファセ*
身体の向きを観客に対して斜め45度にとり、正面(観客)から見たときにバレリーナの脚が交差していないポジション
例)図で2の方角に向き右脚が前になるようなポジション
2の方角に向き、右脚前5番ポジションや2の方角に向き左脚後ろへ出した第2アラベスクなど
※斜めの角度すべてにあり得ます
*エカルテ*
*クロワゼ**エファセ*と同じく、身体は正面(観客)に対して斜め45度向きなのですが、それに加えて自分の横方向に脚を出した状態を指します
図で2や8の方角に向き横方向に脚をだしたポジション
*クロワゼ*と*エファセ*の2つは混乱してしまいがちですが、斜め向きに立ったときに脚をクロスさせて使うかどうかの違いだけです
そしてそれは、5番ポジションや4番ポジションだったり、脚を前タンジュしていたり、後ろにアチチュードでポーズしていたり、あらゆる状況で出てきます
脚を出す方向についての用語は
*ドゥヴァン*
devant・・・フランス語 前に の意
バレエにおいては
脚を前に出したり、上体を前に倒したりするときに使います
*デリエール *
derrière :・・・フランス語 後ろに の意
脚を後ろに出したり、上体を後ろに倒したりするときに使います
*ア・ラ・セコンド*
à la seconde ・・・フランス語 2番に の意
バレエにおいては
横方向に の意味で使われます
*エカルテ* と *ア・ラ・セコンド* はどちらも横に脚を出していますが身体の向きと上体の使い方が違ってきます
*エカルテ・ドゥバン*
身体の向きを観客に対して斜め45度にとり、正面(観客)により近い方向(正面に対して前方向)に足を出したポジション
例)図で8の方角に向き右脚を横方向に出したポジション
*エカルテ・デリエール*
身体の向きを観客に対して斜め45度にとり、正面(観客)から見て奥方向(正面に対して後ろ方向)に向けて足を出したポジション
例)図で2の方角に向き右脚を横方向に出したポジション
これらの用語を使い、自分の向く方角とどちらの脚をどこに出すのかが決まってきます
☆右脚『クロワゼ・ドゥバン』へ『タンジュ』…と言われたら
図の8の方角に向いて、右脚を前にタンジュします
☆右脚『エカルテ・デリエール』へ『デベロペ』…と言われたら
図の2の方角に向いて、右脚を横にデベロペします
☆左脚『エファセ・デリエール』で『アチチュード』『バランス』…と言われたら
図の2の方角に向いて 左脚を後ろアチチュードでバランスします
*補足*
発表会などの振付やリハーサルなどでよく使われる言葉です
*上手(かみて)*
*下手(しもて)*
これは日本語です
日本の伝統芸能で使われていて、舞台に関わる方々の共通認識として使われます
上手は、客席から見て右
下手は、客席から見て左 です
リハーサル中に「もっと右に」と言われたときに、バレリーナや舞台の袖にいるスタッフの右側と、観客や前から見ている先生やスタッフの右側は向き合っているので反対になってしまいます
そこでどこの位置にいてもわかるように「もっと上手に」と言われるのです
これらの方角や脚の方向に付け加えてレッスンの時はアームスのポジションの指示もありますので、しっかり覚えないとドンドン混乱してしまいます
バレエの用語を意味と一緒に覚えると覚えやすいと思いますので、頑張って覚えましょう!!
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⑯アームス(腕)のポジション
2019.10.14
バレエ教師が伝えたい バレエのレッスン疑問点 no.79
バーレッスンの流れ
⑯アームス(腕)のポジション
センターレッスンに移る前にアームス(腕)のポジションについてお話しします
バレエでは身体や手足のポジションがきちんと決められており、それぞれのポジションからポジションに動く動かし方の軌道もきちんと決められています
脚に1番から順にポジションが決められているように腕にもポジションが決められています
ただ、腕のポジションの番号はメソッド(教授法…ロシアスタイルとかロイヤルメソッド、ワガノワメソッドなどのように言い方もいろいろありますが)によって全然違いますので結構お話しするのが難しいです
バレエを習っていてお引っ越しなどで他のお教室にいったら先生に指導されるときに番号が違って戸惑ってしまった方もいらっしゃるのではないでしょうか?
今回は番号ではなく一般的に使われる用語でお話しします
*アン・バ*
en bas・・・フランス語 下に という意
en・・・位置を表す前置詞
bas・・・下
バレエにおいては
アームス(腕)を自分の前で下に下ろした状態をいい、両腕を下ろし、だ円を作ります
ヒジは落とさず軽く曲げ少し横に引っ張る感じ、手のひらは軽く上に向けましょう
腕は身体にくっつかないように少し離しておきます
☆手のひらに手鏡を持っているイメージをして、そこに自分の顔が映るようにイメージすると良いでしょう
*ここ大切*
ワガノワメソッドではこのポジションに番号はなく 準備のポジション です
バーレッスンもセンターレッスンもこのポジションで始まります
アン・バに始まり、アン・バに終わる・・・と言っても過言ではないくらいですね
レッスンではアン・バにした状態で準備をし、アンシェヌマンの終わりにはまたアン・バに戻します
ヒジが後ろに向かないように、横に張るようにするのがポイントです
常にヒジを横に軽く張り、丸みを持たせ、指先は太ももにつけることなく、少し隙間をあけておくように意識しましょう
*アン・ナヴァン*
en avant・・・フランス語 前へ という意
en・・・位置を表す前置詞
avant・・・前
バレエにおいては
両方のアームスを胃の前辺りで丸くまとめた状態をいい、アン・バーで作っただ円をそのままみぞおちの高さまで上げます
手のひらを内側に向けた両手を、肘が床を向いてしまわないように左右に張りながら、みぞおちの前辺りで丸くします
中指と中指の間は少し隙間を開けます
*ここ大切*
腕を持ち上げる時に、肩が一緒に上がらないように気を付けましょう
肩をグッと下げ、脇の下からヒジの内側の骨をとおり小指までのラインを意識して持ち上げます
アン・ナヴァンは脇の下がつぶれたり、ヒジが下がらないよう少し横に引っ張り続けるようイメージしましょう
手のひらは自分の方に向けます
☆手のひらに手鏡を持っているイメージをして、そこに自分のみぞおちから胸が映る
☆腕で少し大きな風船や木の幹を抱えている
などとイメージをすると良いでしょう
*アン・オー*
en haut・・・フランス語 上に の意
en・・・位置を表す前置詞
haut・・・高い 上
バレエにおいては
両腕は上で保持した状態を言い、アン・バで作っただ円を保ったまま上に持ちあげます
両腕を上方にあげ、丸を手のひらを内側にして丸く、肘は耳の真横ではなく視界に入るように少し斜め前にします
アン・バやアン・ナヴァンの注意点も一緒に思い出しましょう
*ここ大切*
肩は下げたまま首を長くしましょう
☆手のひらに手鏡を持っているイメージをして、そこに自分のおでこが映るように
☆顔は真っ直ぐ前を向いた状態で、目だけ上を向いたら手先が見える
などと意識すると、手先がちょうどよい角度と高さになるでしょう
*アン・バ*
*アン・ナヴァン*
*アン・オー*
この3つのポジションは、ヒジをやや曲げて卵型(だ円)を形作った両腕を 下・中・上 の、どこに位置させるかの違いです
いずれの場合もヒジと手首は硬直させることなく柔らかく使い、手先はリラックスさせます
*ア・ラ・セゴン*
à la seconde・・・フランス語 二番目の の意
a la・・・前置詞と冠詞
seconde・・・2番目の
バレエにおいては
アームスポジションにおいてはアン・ナヴァンから左右に腕を開いた状態を言います
腕は伸ばし切らずに、ヒジに丸みを持たせて、手のひらは身体の正面(前)に向けます
腕は開きすぎず、顔が真っ直ぐ前を向いている状態で手のひらが視界に入っているように意識します
*ここ大切*
アン・ナヴァンで注意したことを思い出して、アン・ナヴァンより広げた壮大なイメージを持ちましょう
☆抱えきれないくらい大きな風船、樹齢何千年の大木を抱える
☆手のひらに手鏡を持っているイメージをして、アン・ナヴァンから広げたので自分の前の景色が映る
などとイメージして肩から手首までのラインが自然なカーブを描くようにします
ヒジが肩よりも後ろにいかないように注意して、頭のてっぺんを、糸でまっ直ぐ上に引っ張られているような意識を持ちます
*補足*
バレエで言う『2番』は、手や足を身体の横方向に広げたポジションのこととして使われます
足のポジションも1番から足を横にタンジュして床に置いた状態が2番でしたね
ア・ラ・セゴンは腕だけでなく、脚の動きやポジションについても使われる言葉なので、「=横へ」とすぐに浮かぶよう覚えておくと良いでしょう
*アロンジェ*
allongé・・・フランス語 伸ばされた、長くされた の意
バレエにおいては
丸くしていたアームスを伸ばす動きを指し、パの用語です
アームスのそれぞれのポジションで手のひらを内向きにして丸くカーブを描くよう軽く曲げていたヒジを支点にして、手の平が外向きになるよう方向転換します
手のひらを下に向けて、腕を伸ばしますがヒジが伸び切らないように注意します
*ここ大切*
肩は下げたまま動かしましょう
ヒジが突っ張り過ぎないように、少し緩めるのがポイントです
アロンジェは、「引き伸ばす」「長くなる」という意味があります
そのまま指先が遠くへ遠くへ…と引っ張られるかのように、長く長く伸ばしていきます
アロンジェしたときに伸ばした腕につられて肩や身体まで持っていかれてはいけません
呼吸と連動させて行うこともとても大切です
*補足*
アン・バ、アン・ナヴァン、アン・オー、ア・ラ・セゴンと違って、アロンジェはアームスのポジションではなく動き(パ)に関する言葉です
ア・ラ・セゴンのようにアームスだけではなく、脚などの動きにも使われます
ここまで腕のポジションについて述べましたが、『良い』とされる形は、流派や踊りの雰囲気・振付などによりさまざまです
メソッドによって呼び方も異なりますので、基本的な形と身体の使い方を覚えていただけたらと思います
*アームスの動かし方*
アン・バ
アン・ナヴァン
アン・オー
ア・ラ・セゴン
これらの4つのポジションとアロンジェというパの説明をしました
説明は両手同じ位置でしたが
☆片手アン・ナヴァンで片手ア・ラ・セゴン
☆片手アン・オーで片手アン・ナヴァン
など、片手ずつ違う位置に置くことも可能ですね
片手ずつ違うポジションでアロンジェすることもできます
アームスを動かすときは
この4つのポジションとアロンジェのいずれかを必ず通過して動かします
両手一緒の時もありますし、片手ずつ違うポジションの時もありますし、動かすタイミングが違う時もあります
たとえ速いテンポになったとしても、通過点をきちんと通れば、まとまりのある美しいポール・ド・ブラ(腕の動き)をすることができます
そして
☆キレイなだ円を意識すること
☆指先をまとめること
ヒジが折れ曲がったり、下に垂れさがったりしても、指先が広がりバラバラの状態だとまとまりがなくスマートに見えません
肩をおろし、ヒジから指先までスッと伸びていることを心がけましょう
*アームスを動かすために必要なこと*
アームスのポジションや決められたポジションを通過していくことを覚えましたが、これらは腕だけでできるものではありません
脚を動かすときに大切な体幹が腕を動かすときも大切になってきます
1)肩
バレエを踊るときには常に
両肩は肩甲骨の辺りからまっすぐ床の方向へ下ろすと同時に、両耳と肩の間を広げるようにして首を長くする意識を持っています
肩から肩甲骨を下ろそうとしたときに背骨を後ろに反らせて肩を背中やお尻の方へ引っ張ってしまわないように注意してください
↓
肋骨が広がって下腹が前に張り出してしまいます
背骨と首の骨はアライメントに沿ってまっすぐに、アゴは突き出さない、肩は自然に・・・
わかっていてもついつい力が入って形が崩れてしまいます
肩、肩甲骨、首、背骨・・・これらをつないでいる筋肉、骨の周りを覆っている筋肉を柔軟にストレッチすることで肩が上がらず腕を動かすことができるようになってきます
2)下腹
1)の説明でピン!と気づいたと思いますが
肩や背骨を思い通りに動かすためには下腹をえぐり上げて骨盤周りをしっかりとさせておくことが重要です
内腿の1番上をキュッと寄せ上げ
↓
下腹をえぐり上げ
↓
おへその後ろを通るようなイメージで背骨の前側を骨格アライメントに沿って頭の先まで引き上げる
こうしておけば肩を下ろそうと思ったときに背骨を反らせてしまったり、下腹が張り出したりすることもありません
3)脇
バレエではそれぞれの機能が十分に発揮出来るように骨を正しい骨格アライメントの位置に並べ、骨と骨との間の隙間を伸ばしていく意識を持ちながら、体幹の深層筋を強くして安定のある身体の軸を作ります
そして骨と骨の隙間を伸ばしていく意識の延長線上に四肢を伸びやかに動かす事があると考えます
読みながら実際にやってみてください
腕を力を入れないでおろすと身体の横に沿うような位置になります
↓
そのままの状態で肩の力を抜き、肩甲骨も自然な状態で下げたまま、肩甲骨の下からウエストまでの部分を下にさげながら少し脇の方へ広げるイメージをします
ほんの少し腕が身体から離れませんか?
この時、肩や腕の力で横に広げるのではなく、背中の筋肉を動かすことの意識の中で横に広げるイメージをします
背中の筋肉を横に動かすイメージをすることで脇の筋肉がしっかりとしてきて身体を支える助けになってきます
脇の筋肉から腕の筋肉へと引き延ばす意識を持てるようにしましょう
*ここ大切*
アームスの形を決めるのも、ポジションからポジションへ移動するのも腕の力で動かすのでは無く、体幹を使います
そしてアームスのポジションをキープするのも腕の力ではなく、体幹を使います
美しく踊るためには、アームスの使い方は非常に重要です
アームスのポジションを意識して、体幹を使って流れるような動きを目指しましょう
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2019.10.11
台風19号接近のため
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⑮リンバリング、ストレッチ~その3~
2019.10.07
バレエ教師が伝えたい バレエのレッスン疑問点 no.78
バーレッスンの流れ
⑮リンバリング、ストレッチ~その3~
その1、その2ではリンバリングのお話をしました
その3はストレッチのお話です
バレエのレッスン疑問点 no.76
バーレッスンの流れ ⑬リンバリング、ストレッチ~その1~
バレエのレッスン疑問点 no.77
バーレッスンの流れ ⑭リンバリング、ストレッチ~その2~
*ストレッチの効果*
ストレッチの効果には
1.筋肉並びに渇仰組織の柔軟性の改善
2.筋肉の緊張緩和
3.血流改善
4.神経機能の向上
5.筋委縮の抑制 などがあり
☆筋痛の緩和や関節可動域の改善
☆身体パフォーマンスの改善
☆障害予防 などのメリットがあげられます
しかし、注意点があります
*ストレッチの注意点*
※無理をしない
※温まった状態で行う
※リラックスして行う
※怪我をしたときはその部位のストレッチは避ける
無理に筋肉を伸ばそうとすると、筋肉や腱を痛める恐れがあります
柔軟は見た目にわかりやすいので、他の方とご自分を比較しがちです
ですが、柔軟性には個人差があり男女差もあります
段階を踏みながら、ご自分に合ったことを毎日続けることが重要です
*ここ大切*
☆筋肉は温度によって柔軟性が異なります
筋肉が適度に温まった状態で行うことが好ましいです
入浴後のストレッチを日常的に行うと良いと推奨されるのはこのためです
☆精神的な緊張は筋肉も緊張させてしまいます
呼吸を止めると筋肉も緊張します
レッスンで『呼吸をして!』と注意されませんか?
ストレッチを行う時は、リラックスして行うと良いといわれています
☆ストレッチの効果で血流改善があり、ストレッチを行うと血流が良くなるため発熱します
怪我をしたときは損傷した筋や神経などの組織の炎症を広げる可能性が高いため、怪我をした部位やその周囲のストレッチは避けてください
ストレッチについてもう少しお話ししています
バレエのレッスン疑問点 no.49
バレエで美しく痩せるために必要な体幹のこと⑤ストレッチの3つの効果とは
バレエのレッスン疑問点 no.55
バレエで美しく痩せるために必要な体幹のこと ⑪体幹トレーニングやストレッチの効果的な時間帯とは
このストレッチの効果と注意点を考えると・・・
バーレッスンの最後にリンバリングをして筋肉をストレッチし、関節可動域の改善を図る事はとても大切ですね
『関節可動域の改善』をバレエ的に考えてみましょう
可動域をどのように改善したいか
・・・可動域を広げたいですね
ストレッチで身体中の様々な部位の関節の可動域を広げたいですが、特に股関節の可動域を広げたいです
そして、股関節の可動域を広げるためにしなくてはいけない事がありました
足裏のアーチ構造を使って床を真っ直ぐ押して立つ
↓
内腿の一番上・体幹を使って骨格アライメントに沿って頭の先まで真っ直ぐ伸びる
体幹を使って上半身を徹底的に引き上げ、股関節に動く余裕を持たせ可能な限りアン・デオールします
アン・デオールするということは、まず可動域を広げるということです
そこから更にストレッチをしていくためには・・・
骨盤底筋群から下腹をえぐり上げ
↓
上半身を引き上げ続ける状態を維持し
↓
骨盤と大腿骨の隙間を常に開けておく必要があります
『下腹で上半身の体重を持って、脚に上半身の体重を乗せない!』
くらいの意識で引き上げていてください
そこまで頑張って引き上げて初めて、骨盤を前に傾けたり、脚を上げていくことができるのです
*床の上でのストレッチ*
ここからは床の上でのストレッチの解説です
<床にお尻を下して開脚して上半身を前にストレッチする>
1)脚を横に開脚する
下腹で上半身を引き上げ、大腿骨をアン・デオールして開脚します
この時、坐骨の前の方が床に触るように意識してください
坐骨だけが床に触っているように上半身を引きあげます
坐骨の後ろの方が床に触ると骨盤が後ろに傾斜してしまい、お尻の肉も床に触ってしまいます
上半身を大腿骨から引き離す(引き上げる)のと同時に大腿骨は足先で骨盤から引っ張り出すようにします
2)上半身を前に倒す(ストレッチする)
坐骨だけが触っている状態から更に下腹をえぐり上げ、上半身を上に引き上げながら骨盤を前に傾けていきます
この時、背中を丸めないように注意します
上半身を引き上げながら骨盤を傾けるのです
頭の先は骨盤が傾いていく先に引っ張り続けます
↓
ある程度まで骨盤が傾くと坐骨は後ろに滑り出ていますので、床に触れなくなります
↓
大腿骨は足先で骨盤から引っ張り出し続けます
床にお腹が触るところまで行くには相当期間がかかりますが、無理をしないで地道に頑張っていきましょう
<長座に座って上半身を前にストレッチする>
脚を前に伸ばして座り上半身を前に倒します
1)床にお尻を下ろして両脚を前に伸ばす
脚をアン・デオールしていない状態のため
大腿骨の大転子が骨盤に引っかかりやすいので、開脚の時より更に股関節の中で骨盤と大腿骨との隙間を開ける必要があります
*ここ大切*
前にストレッチを行う以前に・・・
骨盤が真っ直ぐ立ち、坐骨の前の方だけが床に触っている状態になれなければ、骨盤が前に傾斜できません
ストレッチをしているつもりでも、背中が曲った状態になっているだけになってしまいます
<開脚して上半身を横にストレッチする>
これはバーレッスンで何度も出てきた横にカンブレをします
骨盤は真っ直ぐに立ったままの状態で骨盤から上の脇を横にストレッチです
*ここ大切*
☆坐骨は左右とも床に触っている状態を崩さないように注意します
☆上になる方側の脇はストレッチするイメージが湧きますが、両脇を横方向へ引っ張り出すイメージでストレッチしてください
☆前や横にストレッチをして戻ってくるときは、更に体幹を使って引っ張り上げるような意識を持って動いてください
柔軟性には個人差がありますので、すぐには理想のストレッチは出来ないと思いますが
無理をせず、地道に毎日続けることが重要です
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