番外編 バレエ鑑賞の愉しみ方
2019.01.21
バレエ教師が伝えたい バレエのレッスン疑問点 no.41
バレエを習い始める前に知っておきたいこと
番外編 バレエ鑑賞の愉しみ方
海外や日本の有名なバレエ団のバレエ公演。
大きな劇場で、フルオーケストラで、ダンサーも一流で・・・
となると、チケットの価格は結構な金額になってきます。
高いものでS席30,000円とか!
フルオーケストラで、海外の一流のバレエ団で出演キャストもトップレベルですと、こんな高額になってしまいますが、同じ空間の中で同じ臨場感や緊張感を共有することは劇場でしか味わうことができません。
そして、劇場も大きく装飾も豪華で、シートは座り心地良く、どっしりと格調高い緞帳、オーケストラピットの中で演奏家が練習している音楽、そして周りを見渡せばちょっとお洒落してウキウキしている観客たち・・・開演前から日常とは違う特別な空間で、これから始まるバレエに対しても物凄く期待感が高まり、気分が高揚してきます。
そんな、バレエを観ること+αの体験が出来ることが劇場でのバレエ鑑賞の魅力だと思います。
ですが、年に何回も行けるわけでは無いと思いますので、観たいと思うバレエ団や作品、ダンサーなどをDVDやテレビなどで観てチェックをして、劇場に足を運んでいただくと良いかなと思います。
お子様にも劇場で是非鑑賞していただきたいですが、劇場や作品によっては「就学前の方はご遠慮ください」など明記してありますので、前もって調べておいてください。
*作品選び
バレエを生で鑑賞したことがなく選びきれない場合は、まずはクラシックな有名な作品からが良いかもしれません。
『白鳥の湖』『くるみ割り人形』『眠れる森の美女』などなど・・・
古典作品で音楽も聞いたことがある曲も入っていますし、何といっても華やかでこれぞバレエ!です。
これらの古典作品も最近は演出家によって全く違う解釈で作られた作品の場合もありますので、事前にマネジメントのサイトなどで調べてみましょう。
そして、更に愉しむために ちょっと予習してみましょう!
観に行く作品やダンサーについて、ちょっとだけ予習しておくと、バレエ鑑賞の楽しみが何倍にもなります。
バレエにはセリフがありません。
音楽とダンサーの動きや感情表現によって物語を進めていきます。
セリフがないから、良く理解できない・・・?
そんなことはありません、かえって言葉が無いので言語の違いで通じないという事がないのです。
ただ、初めてバレエ鑑賞する場合は、事前に予習をして、お話のあらすじや作品の背景を少しでも知ることで、舞台上で何が表現されようといているのか理解するのに大いに役立ちます。
特にガラ公演(コンサート形式の華やかな公演。色々な作品の有名な部分だけを上演するのでお得感があります)では、全幕もののバレエ作品からハイライト部分を切り取って上演される為、どの作品のどの場面かを予習して知っておけば、ダンサーの目線や表情など細かなところまで見逃さなくて、しっかり味わうことができます。
*チケットの購入
バレエ公演のチケットは色々な購入方法があります。
・プレイガイド
・劇場窓口
・プロモータ(興行主)
・チケット売買サイト
最近はサイトで手軽に調べられますので、定期的に覗いてみると良いでしょう。
だいたい、公演日の半年前くらいから販売開始されることが多いと思います。
よほどの人気公演でない限り、公演日間近まで残席があったり、当日券が出ます。
が、
座席によって見え方がかなり左右されるため、見やすい席は熱心なバレエファンによって販売開始直後に売れてしまう・・・ということもあります。
身体を鍛えているダンサーとはいえ、ケガや体調不良は避けることができません。
やむを得ない事情で降板、キャスト変更ということも起こります。こんな場合でも、公演自体がなくなるわけでは無いのでチケットの払い戻しはありません。
お目当てのダンサーを観ることができなくてガックリしてしまうかもしれませんが、あなたがまだ知らなかった素敵な他のダンサーを見つけることができるかもしれません。
来日公演の場合、チラシなどには何人かのダンサーの名前が記載されており、当日劇場で「本日の配役」が発表されることがあります。
これも誰が踊るのかしら・・・と、当日までワクワクして楽しみにできますね。
*どんな服装で
日本ではバレエを鑑賞するとき、あまり服装には気を遣わなくても大丈夫ですが、近所にお買い物に行くような服装ではなく、ちょっとお洒落して劇場に行っていただきたいですね。
外国では、ドレスで精一杯おしゃれしてバレエ鑑賞に出かけます。
ドレスを着ていくわけでは無いけれど、お洒落して、気分を高めて、いつもとは違う自分になって日常生活では味わえない感動をバレエを観て感じていただきたいです。
劇場でじっと座って鑑賞していると肌寒く感じる時もあります。一枚上に羽織れるような服、ひざ掛けにもなりそうなショールなどあると良いと思います。
*その他、お役立ちグッズ
・双眼鏡、オペラグラス
座席にもよりますが、ダンサーの表情や手先足先など細かな部分を見るためには双眼鏡やオペラグラスがあると良いですね。
劇場によっては有料で貸し出ししているところもあります。
・のど飴など
止めようと思っても止められない咳やくしゃみ。特に咳はずっと続いてしまいますよね。のど飴などがあるとちょっと安心かも。
・飲み物
劇場の客席は原則飲食禁止です。休憩中にロビーで少しずつ飲みましょう。バレエの公演は長いです。こまめに水分補給を。
・パンフレットは入手しますか?
バレエのパンフレットはちょっと高いですが、バレエの公演を観た記念に入手することをお勧めします。
ダンサーや作品について事前に情報を入れることで理解度が増しますし、よりバレエ鑑賞を愉しめます。
私は小学生の頃両親に連れていってもらったキーロフバレエ団の公演のパンフレットを買ってもらって、大事にとっておいたのですが、のちに所属していたバレエ団に指導に来られた先生が、その時のパンフレットに載っていて、10年越しにサインをいただきました。
・拍手ってどうしたら良いの?
初めてのバレエ鑑賞の時には・・・周りに合わせておくのが一番無難です。
誰でもわかるのは、ダンサーがレべランス(お辞儀)する時。
あとは、主役が登場した時とか、素晴らしい技が出来た時とか・・・
でも、私達日本人は空気を読んじゃうタイプなので、最初は周りに合わせてください。
物語のクライマックスには感動して終演時には自然に拍手してしまうと思います。
感情豊かで、色々なことに感動できる人間になりたいですね。