⑰小さなジャンプとポール・ド・ブラ
2020.02.17
バレエ教師が伝えたい バレエのレッスン疑問点 no.96
センターレッスンの流れ
⑰小さなジャンプとポール・ド・ブラ
レッスンの最後はクールダウンの為の小さくて速いジャンプとポール・ド・ブラ
*小さなジャンプ*
身体の軸を感じながらその場のジャンプを連続で行います
例えば
右脚前5番ポジションからシャンジュマン7回
ロワイヤルで脚を変えて
左脚前5番ポジションからシャンジュマン7回
ロワイヤルで脚を変える
これで16回連続ジャンプです
上級クラスになると
アントルシャ・キャトルになったり
連続ジャンプの間に前や横や後ろに少しずつに移動したり
1周自転したり
・・・といろんなパターンになってきますが、連続で跳び続けます
毎回同じように跳び上がること
そのためには毎回同じようにプリエをしなければいけません
そして連続で跳び続けるためには
ずっと身体の引き上げを意識したプリエ
(特にジャンプからの降り方)
が大切ですね
1回1回一生懸命力を込めてジャンプするのではなく、連続で縄跳びを跳んでいるようなイメージをしてみてください
縄跳びしているときの身体の状態を思い出してみると・・・
手首で縄を回して、身体も腕もほとんど変化なしで跳び続けませんか?
片脚ずつ交互に跳ぶ時も脚をチェンジさせるのを、なるべく小さい動きにしていると思います
ジャンプを跳ぶ時に
一生懸命になってジャンプを跳び
ジャンプから降りる時に
力を抜いてしまったら
連続で縄跳びを跳び続けることができなくなります
バレエを踊る時も
縄跳びを跳び続ける時のことをイメージしていると
ジャンプから降りる時に
身体を引き上げ続けていられるのではないでしょうか
バレエのレッスンですから
跳ぶ時に足先を伸ばしたり
アームスのポジションは決まっていますが
普段から何気なくやっている動きと関連付けてイメージすると
もう少し楽に動くことができるような気がします
バレエの動きは
身体の軸をしっかりさせ
頭の先から足先まで引き伸ばしている
きれいに伸びている
という意識はいつも必要ですが
全身に力を込めているわけではありません
力を込める部分
リラックスされる部分
引き延ばす部分
など
全身様々な使い方をして踊っています
それを頭と身体で理解してコントロールしながら踊っていくことができるように反復練習していくのです
*ポール・ド・ブラ*
最後に呼吸を整え、身体の軸を意識しながら
ポール・ド・ブラ
カンブレ
少しのバランス
を行います
そして
バレエを踊っていることや
踊っていくことができる環境など
全てに対して感謝の気持ちをもってレベランスしてレッスンは終了です
上級クラスになるとレッスンの終盤でトウシューズを履いて、ポアントレッスンをします
トウシューズは誰でも履けるわけではなく
バレエがある程度上達しなければ履くことはできません
そしてお子様は
骨格がしっかりしてからでなければ履くことはできません
一般的に永久歯が生えそろう頃が
骨も大人になってくる頃
海外のバレエ学校では12歳くらいからトウシューズを履きます
トウシューズを履く前に
きちんとバレエのレッスンをして
身体の軸や筋力をしっかりさせてからでないと
怪我をしてしまったり
骨の発達に異常が起き
バレエを踊ることができなくなってしまいます
バレエを習っていると、やはりトウシューズは憧れですよね
いつかはトウシューズを履いて素敵に踊っていきたい・・・
次回からはトウシューズを履くために必要なことなど
トウシューズに関することをいろいろ解説していきます
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レッスンアンシェヌマン(順序)を
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いつもレッスンを受けているのに自習をしようとしたら、レッスンの順番がわからない時などありませんか?
バーレッスンやセンターレッスンの順序(アンシェヌマン)の説明している動画をアップしています
☆私が今まで受けてきたレッスンの中から抜粋して作っています
☆アンシェヌマン(順序)を説明しているだけの動画ですので右側だけとか、前からの順序だけだったりします
☆バーレッスンからセンターレッスンまで1つのクラスレッスンになっています
自習する時などに使ってくださいね
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⑯マネージュ
2020.02.09
バレエ教師が伝えたい バレエのレッスン疑問点 no.95
センターレッスンの流れ
⑯マネージュ
*マネージュ*
manège・・・フランス語 メリーゴーランド、回転木馬の意
馬術からきた用語で馬の調教に際し、馬を馬場いっぱいに丸く走らせるということからバレエにおいても
舞台またはレッスン場で円を描くようにして動いていくことを指します
ピケ・アン・デダンやシェネなど回転技で進んだり、ジュテ・アントルラセやクペ・ジュテ・アントゥールナンなどのジャンプで進んだり、それらを組み合わせたり・・・
アンシェヌマンには様々なパターンが考えられます
ヴァリエーションの振付などでよく見るピケ・アン・デダンなどのように1つの回転技だけの連続で円を描いて進んでいくことが思い浮かぶと思いますが、群舞で、みんなで円を描いて踊っていく時もマネージュです
マネージュで進むときは真っ直ぐに進む時と違って、見ていく先(目標)を少しずつ変えていかなくてはいけないので大変難しいです
進む経路が上手に円の軌道が描けるようになるまで何度も何度も練習を重ねます
身体の方向感覚・軌道
集中力
体力
一緒に踊る人との間隔などの関係性・調和
など、パの技術は勿論ですが、空間認識や客観性などもとても必要になってきます
特に回転技でマネージュをするときは
まず
真っ直ぐに進む練習して
↓
パの技術を上げてから
↓
マネージュの練習に取り掛からないと、自分がどんな動きをしているのかもわからなくなってしまいます
マネージュでよく使われる回転技をご紹介しましょう
*ピケ・アン・デダン*
piqué en dedans・・・フランス語
piqué・・・突き刺す の意
en dedans・・・内側へ の意
バレエにおいては
軸脚を突き刺すようにルルベやポアントで立ちながらアン・デダンの方向へ回転していくことを指し、パの用語です
*ピケ・アン・デダンの手順*
1)進行方向側の脚を前にタンデュしてプレパレーション(準備)
2)前タンジュからロン・ドゥ・ジャンブして横に
同時にもう片方の脚はドゥミ・プリエ
3)プリエしている脚で床を蹴って、横にロン・ドゥ・ジャンブした脚でポアント(ドゥミ・ポアント)に立つ
床を蹴った脚は後ろのパッセにつけ軸足の方向へまわる
4)後ろパッセの脚を軸脚の後ろにおろしドゥミ・プリエ
回転時の軸脚は進行方向へ伸ばす
連続して行う時は3)、4)を繰り返す
*ピケ・アン・デダンの注意点*
☆スポット(見ている先・目標)を決めて
回転技はスポットをきちんと見て回転しないと目が回ってしまいます
☆素早く軸脚に体重を移動させる
針をグサッと指すように瞬時に軸脚の上に立ちましょう
☆軸脚のヒザが曲がらないように引き上げる
体重が脚にかからないくらい上半身を引き上げて
長く伸びた軸脚の一番上に骨盤が浮いているようなイメージを持つと良いかもしれません
☆ルティレ(パッセ)はヒザの後ろにつける
プリエから床を蹴った脚を素早くルティレにつけることを意識します
ルティレの脚を軸脚にきちんとつけることでバランスも軸の上にまとまってきます
*ピケ・アン・デオール*
piqué en dehors・・・フランス語
piqué・・・突き刺す の意
en dehors・・・外側へ の意
バレエにおいては
進行方向へ1歩踏み出し、次の脚をルルベやポアントで立ちアン・デオールの方向へ回転していくことを指し、パの用語です
*ピケ・アン・デオールの手順*
1)進行方向側の脚を前にタンデュしてプレパレーション(準備)
2)前タンジュの脚を進行方向へ1歩だし、そこへ体重を移動してトンベ・ドゥミ・プリエ
同時にもう片方の脚はア・ラ・セゴンにデガジェ
3)ア・ラ・セゴンの脚をプリエした脚の前に引き寄せてピケで立ち、プリエしていた脚はルティレ(パッセ)にしてルティレの脚の方向へ回転する
連続するときはルティレの脚をトンベ・プリエにして2)、3)を繰り返す
*ピケ・アン・デオールの注意点*
☆トンベで上半身は引き上げを保ったまま
トンベ tombé・・・フランス語
転ぶ、倒れる、落ちるの意味の動詞tomberが元で 落ちた、倒れた の意
バレエにおいては引き上げたところから重心移動をするパの一つですが
言葉通りに落ちていかないように高いところから放物線を描くようなイメージでふわっと柔らかくトンベします
ピケ・アン・デオールはトンベしたポジションが軸脚が立ち上がるきっかけになりますので、腰が落ちたり猫背になったりしないよう強く身体を引き上げていてください
*横に出した脚を前に引き寄せる
ピケ・アン・ドゥオールは、横に出した脚を前に引き寄せ軸脚になります
軸脚が進行方向にきちんと引き寄せれられるように注意しましょう
あっちについたり、こっちについたりしているとそのまま回転を続けても、まっすぐに進めず、フラフラして目が回ってしまいます
*ルティレの脚は軸脚にきちんとつける
ピケ・アン・デダンと同じでルティレの脚は軸脚から離れないように
*回転時のアン・デダン、アン・デオール*
回転の時は軸脚に対してどちらの方向に回転していくのか考えます
*アン・デオール(en dehors・・・外側への意味)の場合
左脚軸、右脚ルティレ(パッセ)のポジションの時、右へ回ります
ルティレしている右脚を、軸脚の左脚に対して外へ広げていくような回転方向(バレエの基本であるアン・デオールをしていく方向)です
*アン・デダン(en dedans・・・内側への意味)の場合
左脚軸、右脚ルティレ(パッセ)のポジションの時、左へ回ります
ルティレしている右脚を、軸脚の左脚の方へ巻き込んでいくような回転方向です
この時、ルティレの脚はアン・デオールし続けています
間違ってもおへその前にヒザが来てしまうような縦向きのルティレにならないように注意してくださいね
*シェネ*
chaines・・・フランス語 連鎖、鎖、チェーン の意
バレエにおいては
回転技の1つで、両脚を1番ポジションもしくは5番ポジションでポアントやドゥミ・ポアントで連続で回転しながら直線や円を描くように移動することを指す、パの用語です
進行方向に向かってクルクルと回転が繰り返され、小さなターンがチェーンのように連なっていくイメージです
*回転技のコツ*
私は激しく運動音痴なので何度も何度も反復練習をしないと先生に指導していただけるレベルにすらなりません
初めて習ったはずのステップがスムーズに踊っていくことができる人を見て素晴らしいと思いながら、地道に練習していくしか方法はないので、先生の言葉を思い出しながら自習していました
そんな私が実感してきた回転技で大切なこと
☆背骨を下から順に頭の先まで伸びあがる
このイメージをするときに
背骨の背中側ではなく
前側を意識して伸びあがっていくと
身体の中心を感じることができます
☆力まない
回転することに怖さがあるのでどうしても全身がこわばってしまい、余分な力が入ってしまい、肝心の下腹や足裏に力が入らなくなってしまいます
回転するときに瞬時にポアントの先まで立ち上がることが大切ですが
エイッと言って立ち上がるのではなく
すぅーっと言って立ち上がってみたら
少し力みが抜けてきました
力みが抜けると首を動かすことができるので、身体を歪めずにスポットに顔をつけることができるようになります
☆骨格アライメントを崩さない
右回転の時に
身体の右側を回転していくのではなく
右回転の時に
身体の左側(肩、脇、腸骨、腕)を
送り込み続ける意識をします
回転しているときに正しい姿勢から外れてしまうと回転軸もズレてしまい失敗してしまいます
右回転すると考えると無意識のうちに右に行こうとしてしまい、バランスの重心が右にズレてしまったり、肋骨が広がってしまったりして正しい姿勢から外れてしまうことに気づきました
そして回転し始めた時のポジションは正しく出来ても、そのポジションから回転に繋がらず止まってしまったりもしました
回転技を習得するためには
正しいポジションを覚えることと
回転し続けることの
両方ができなければ上達しません
私の場合、
右回転の時に身体の左側(肩、脇、腸骨、腕)を送り込み続ける意識をすることで正しいポジションと回転し続けることが少しわかったような気がします
ピケ・アン・デダン、ピケ・アン・デオール、シェネなどの回転技を連続でマネージュしていくのは本当に難しいです
パが正確にできることが第1条件ですが
まず
真っ直ぐ進むことから練習して
そこからスポットを少しずつ変えて
円を描くように進んでいくことができるように練習してください
回転技は練習すれば練習しただけ上達すると言われます
運動音痴の私でも練習すればある程度回転できるようになりました
頑張って練習して少しでも回れるようになるととても嬉しくなります
そして、できれば左右どちらも同じように回れるようになれると良いですね
師事していた石井潤先生がレッスンの時に仰っていたことがあります
「振付家としては、このシーンでダンサーを左右対称に踊らせたいと思ったときに回転技が出来ないために振付を変えなければならないのはとても残念。だったらダンサーを変えようかと思うかもしれない。人間、得手不得手はあると思うけれど左右同じように踊ることができればダンサーとしてチャンスが巡ってくるかもしれない。頑張って。」
とても心に響いた言葉でした
バレエは体幹を使って身体をコントロールして踊っていきます
回転技だけではなく全てのパをコントロールして踊っていけたらとても素晴らしいですよね
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*今までは、レッスンに行かなければ受講できなかったことが
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⑮グラン・ワルツ
2020.02.03
バレエ教師が伝えたい バレエのレッスン疑問点 no.94
センターレッスンの流れ
⑮グラン・ワルツ
これまで何回かに分けてジャンプの種類について解説してきました
レッスンの終盤ではそれらのジャンプを組み合わせて大きなジャンプのアンシェヌマンをおこないます
グラン・ワルツという場合やグラン・アレグロということもあります
レッスンなのですが、いろいろなパを組み合わせて踊っていくので発表会のリハーサルの一部を踊っているような感じになり気分も上がります
*パとパの繋ぎ*
ダイナミックなジャンプから次のパへの流れるような繋ぎ
1つ1つのパがどれだけ上手にできてもそれらをアンシェヌマンで繋げたときにスムーズにパとパが繋がらなくては動きがギクシャクして上手には見えません
バレエの全てのパとパを繋いでいると言うと言い過ぎですが
グラン・ワルツでは
ほとんどのパとパはプリエで繋がっています
ジャンプのパを繋げるためには当たり前なのですが・・・
ジャンプはプリエから始まってプリエで終わります
繋がる時は
前のパの終わりのプリエが
次のパの始まりのプリエを
兼用します
プリエが正確に安定したポジションで出来なければ次のパの準備も出来ないということです
*大きな動きや小さな動きの組み合わせ方*
グラン・ワルツはジャンプだけで構成されるのではなく
回転やバランスなど
そこまでに練習してきたことを多種多様に組み合わせて構成していきます
大きな動きと小さな動きとのメリハリ
ジャンプと回転をスムーズに繋げる身体の軸
ジャンプの弾み方とバランスの伸び方の動きの使い分け
など様々なパの組み合わせを練習していきます
*空間認識*
センターレッスン全てにおいて空間認識の意識は必要です
フロアをどのように使って動いていくのか
一緒に踊る人との関係性
そのためには
身体の向きや動いていく方向などをしっかり把握しなければいけません
初級クラスでは1本の直線状を踊りながら進んでいくことが多いですが、上級クラスになるとヴァリエーションの振付のようにフロア全体を使って踊っていくようなアンシェヌマンになってきます
*客観性*
自分の踊っている姿がどう写っているのか客観的に把握する
バレエの最終的な目標は
お客様の前で踊り
お客様に何かを与えることができるようにすることです
バレリーナは与えられたアンシェヌマンを黙々とこなしていくのではなく
アンシェヌマンを通して
お客様に物語の役の感情を表現したり
作品によっては振付家や演出家のメッセージを表現して
お客様にお伝えしていくのです
自分の踊っている姿がお客様にどう写っているのか
そして
お客様の心に残るような何かを与えるためにはどのように動いていけばよいのか
自分を客観的に捉えることが大切です
バレエのレッスンは身体を作り上げていくためにできています
体幹を鍛えたり、柔軟性など毎日地道に反復練習をして身体に癖付けし覚えこませます
これだけを考えるとトレーニングジムでマシンに向かってトレーニングをしているのと同じような感覚を持ってしまいますが、そうではないのです
バレエの最終的な目的・・・
お客様に何かを与える
舞台を観に来てくださった方の心に残る何か
・・・を常に考え
レッスンでも
自分の動きが人からはどのように見えるのかなと考えることが大切です
そして
正確なポジションの中で最大限に美しく魅せる
美しいポジションからポジションへの流れるような動き
そこにバレリーナの想いをのせることで
お客様の心に何かの感動を与えられると素敵だと思いませんか
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⑭片脚で跳びあがり、もう一方の片脚で着地するジャンプ
2020.01.27
バレエ教師が伝えたい バレエのレッスン疑問点 no.93
センターレッスンの流れ
⑭片脚で跳びあがり、もう一方の片脚で着地するジャンプ
ジャンプの種類は以下の通りです
1)両脚で跳びあがり、両脚で着地する
2)両脚で跳びあがり、片脚で着地する
3)片脚で跳びあがり、両脚で着地する
4)片脚で跳びあがり、同じ片脚で着地する
5)片脚で跳びあがり、もう一方の片脚で着地する
今回は・・・
5)片脚で跳びあがり、もう一方の片脚で着地する
*ジュテ*や*パ・ド・シャ*、*アントルラッセ*が代表的なジャンプです
*ジュテ*
jete・・・フランス語 投げる の意
バレエにおいては
片脚で踏み切って跳び、他の片脚に下りる動きを指し、パの用語です
バーレッスンで出てきたジュテは正しくはバットマン・ジュテを略しており、本来はこちらのジャンプを指す用語です
どちらも意味としては「投げられた」イメージで脚を出しますので間違いではないですね
ジュテにも脚の出す方向、跳ぶ方向などいろいろあります
まずは小さなジャンプとしてジュテをする場合、一番ポピュラーな跳び方は
5番ポジション、ドゥミ・プリエ
↓
片脚を床をこするようにデガジェに(シャッセ)
↓
同時にもう片方の脚はまっすぐ跳び上がる
↓
空中でデガジェに出した脚を5番ポジションに集めてくる
↓
床に着地する瞬間にデガジェして集めてきた脚とは違う脚をク・ドゥ・ピエ(クペ)にし、集めてきた脚ドゥミ・プリエで着地
と、なります
片脚で跳びあがり、両脚で着地するジャンプ アッサンブレと似ていますね
アッサンブレは両脚ドゥミ・プリエで着地、ジュテは片脚ドゥミ・プリエで着地します
着地のポジションが違うだけでそれまでは同じなので空中で5番ポジションを意識することが大切です
これがジュテの基本の動きになります
跳び上がる方向は真上、デガジェに出す脚はアッサンブレと同様に前、横、後ろどの方向でも行うことができます
ジュテ、タン・ルベ、ジュテ、タン・ルベのアンシェヌマンですと
右脚を投げてジュテ
↓
着地した右脚でホップ(左脚はク・ドゥ・ピエのまま)
↓
左脚を投げてジュテ
↓
着地した左脚でホップ(右脚はク・ドゥ・ピエのまま)
↓
・・・と同じ場所で左右交互にジャンプします
中くらいのジャンプではデガジェに投げた脚の方へ移動する場合もあります
グラン・アレグロなど大きなジャンプになると名前も
*グラン・ジュテ(grand jete)*
となり、大きなという形容詞がつき、大きく移動しながらジャンプしていきます
片脚をプリエに踏み込み、もう片方の脚を高く振り上げる(グラン・バットマン)
↓
空中で大きく脚を開いてジャンプしながら移動
↓
振り上げていった脚で着地
跳ぶための脚力
滞空時間を増やすための上半身のポジショニング
柔らかな着地のための筋肉のコントロール
など、どれをとっても難しいものばかりです
グラン・ジュテになったら、最初に投げる脚もデガジェではなくグラン・バットマンにしなくては大きなジャンプにはなりません
グラン・バットマンに投げられた足先の方向に向かって気持ちよく跳び上がっていくイメージを持ちましょう
そして
跳び上がる前に空中での上半身のポジションをしっかりと確認して
空中でポジションを維持し
着地しても維持し続けるように意識してください
空中のポジションは素敵なのに、着地した途端にポジションが崩れてしまう(着地する前に崩れてしまう場合も)と失敗したかのようにも見えてしまうし、最悪本当に着地に失敗して怪我してしまう場合もあります
上半身のポジションを維持することを注意していると、着地のコントロールもできるようになってきます
ジャンプは脚の力だけでは跳ぶのではなく、その他のバレエの動きと同様に全身使って踊っていくことを意識してくださいね
*パ・ド・シャ*
pas de chat・・・フランス語 猫のステップ の意
chat・・・猫
バレエにおいては
片脚のヒザを曲げながら、もう片方の脚で跳びあがり、最初に曲げた脚から着地する動きを指し、パの用語です
基本的なパ・ド・シャを分解してみると
5番ポジション ドゥミ・プリエ
↓
ドゥミ・プリエの後ろの脚をルティレ(パッセ)にしながら、ドゥミ・プリエの前脚で跳び上がる
↓
最初にルティレにした脚の方向へ移動しながら、空中で両脚パッセ
↓
最初にルティレにした脚から着地し、踏み切った脚は最初に着地した脚の前に着地し5番ポジション ドゥミ・プリエ
基本は右脚後ろの5番ポジションから始めたら右へ移動しながら
左脚後ろの5番ポジションから始めたら左へ移動しながら行いますが
4番ポジションに踏み込んで前に移動して4番ポジションに着地しながら連続で続けていったり・・・
パ・ド・シャもいろいろ変化していきます
一番大きな違いは
*グラン・パ・ド・シャ(grand pas de chat)*
踏み切るときにルティレが一瞬見えますが、ついてくる後ろ足は曲がらず、空中で両脚を大きく開きます
この場合は前方向へ移動します
グラン・ジュテと同じような動きになりますが
グラン・ジュテは前の脚をグラン・バットマンして跳び上がります
グラン・パ・ド・シャは前の脚をルティレから蹴り上げます
跳び上がる最初が違いますが、空中や着地での注意は同じです
どちらもとても華やかなパでレッスンでも終盤の盛り上がってきたときに行います
軽やかに身体が浮き、身体のポジションも美しく、着地までコントロールして出来たらとても気持ちが良いです
跳ぶことだけを考えるのではなく
跳ぶ前、空中、着地での
身体の動かし方や注意点などが
順を追って意識できるように
何度も何度も反復練習をしましょう
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⑬片脚で跳びあがり、同じ片脚で着地するジャンプ
2020.01.20
バレエ教師が伝えたい バレエのレッスン疑問点 no.92
センターレッスンの流れ
⑬片脚で跳びあがり、同じ片脚で着地するジャンプ
ジャンプの種類は以下の通りです
1)両脚で跳びあがり、両脚で着地する
2)両脚で跳びあがり、片脚で着地する
3)片脚で跳びあがり、両脚で着地する
4)片脚で跳びあがり、同じ片脚で着地する
5)片脚で跳びあがり、もう一方の片脚で着地する
今回は・・・
4)片脚で跳びあがり、同じ片脚で着地する
*タン・ルベ*や*ソテ*、*バロネ*が代表的な片脚跳び両脚着地ジャンプです
*タン・ルベ*
temps levé・・・フランス語 直訳すると 日の出時間
temps・・・時 の意
levé・・・上昇する の意
バレエにおいては
片足で踏み切って、ポーズを変えずにそのまま降りるパの用語で、跳ね上がる動作に使います
同じような意味でつかわれるパでソテがあります
*ソテ*
sauté・・・フランス語 跳ぶ の意
バレエにおいても
ジャンプすることを指し、パの用語です
様々なパにこの「ソテ」を付けることで、飛びながらそのパを行うという意味になります
↑
⑩両脚で跳びあがり、両脚で着地するジャンプで少し解説しました
エシャッペ・ソテの場合、エシャッペをジャンプしながら行います
↑
これは両脚跳び、両脚着地です
アラベスク・ソテやパッセ・ソテ、クペ・ソテなどになると片脚跳び、同じ片脚着地になります
指導する時もソテとタン・ルベを同じような意味で使ってしまいがちが、ちゃんと違いがありました
ソテは jumping
タン・ルベは raising movement
・・・だそうです
簡単に言うと
ソテは あくまでjump
タン・ルベは hop
・・・強さや大きさが違うとイメージしていただければよいかと思います
ですが、いくらhop、軽く、といっても
空中の姿勢は軸足のヒザも足先もきちんと伸ばしきった状態でなければいけません
バレエ団に所属していたころ、ナターリャ・ボリシャコワ先生やワジム・グリャエフ先生(お二人ともマリンスキー・バレエのプリマ、プリンシパルだった方です)がレッスンで
「アリサ、hop!hop!」
「アリサ、モットjump!jump!」
と言われていました
先生方はパによって使い分けていらしたんだなと思います
*バロネ*
ballonne・・・フランス語 風船のように膨らんだ の意
バレエにおいては
片脚をバットマンで蹴り上げたあと、戻すときに蹴り出した脚をク・ドゥ・ピエ(クペ)にすることを指し、パの用語です
蹴り出す時の大きさや高さ、軸足の動きなどでバリエーションが出てきます
軸足の動きには
1)ア・テールのまま
2)片脚で踏み切ってジャンプ
3)片脚でドゥミ・プリエからルルベ(ポアントの場合も)に立つ
今回の場合は2)のジャンプです
なぜ膨らんだという言葉がこのパの名前になったのか・・・?
脚の動作の一連が空気を包み込むように見える
脚で空気を抱きかかえるような動きをする
このような動きのイメージから名付けられたのではないでしょうか?
私もこのパを習ったときに、両脚の内腿をアン・デオールしながらプリエの働きをするので
脚の一番上でポワッと空気の大きな泡ができるようなイメージでと教わりました
両脚をキュッと縮めてヒザを曲げるのではなく
きちんと正確なドゥミ・プリエのポジション
片脚はク・ドゥ・ピエに
ということです
ジャンプする時でも、ルルベに立つときも終わりのポジションは同じで片脚プリエ、片脚ク・ドゥ・ピエです
想像すると、空気が膨らんだような形ですよね
*ポイント*
片脚跳び、同じ片脚着地のジャンプはそれほど大きなジャンプとして扱われません
ですが、上半身・下半身ともにコントロールするのが大変難しいジャンプです
片脚で自分の体重を全て受け止めなくてはいけません
自分の体重を支えるだけの脚力
プリエ、ジャンプ、着地をしっかりとコントロールすることが大切です
身体の引き上げ
ポジションの正確さ
コントロール・・・など
身体のコーディネーション能力と脚力が必要なジャンプです
ジャンプではこれらをしっかりと意識して
小さなジャンプから大きなジャンプまできちんと跳ぶことができるように頑張りましょう
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