⑤バレエの髪型について
2019.01.07
chignon (シニヨン・・・フランス語)
束ねた髪をサイドや後頭部でまとめた髪型のこと
簡単に言えば、ポニーテールに縛った毛先を丸くまとめたもの
日本ではファッション性より動きやすさを重視した髪型として認知されており、バレリーナや、体操・新体操などのアスリート選手がよくしています。
その形状から「お団子」「お団子ヘア」「お団子頭」などと呼ばれることも多いですね。
では、なぜバレリーナはシニヨンにするのでしょうか?
それは・・・頭を小さく魅せることが発祥なのです。
・踊る時に邪魔にならないように髪をまとめる
・教室の床に髪の毛が落ちないようにする
・周りの方々に迷惑がかからないように
などなどの礼儀としての理由もありますが、
バレエの美しいとされる姿は
頭は小さく・腰は高く・手足が長く
が、理想で、大人も子どもも憧れのバレリーナに少しでも近づけるように日々レッスンを頑張ります。
憧れの姿に見えるようにするには、どのようにしていくのかも、バレエを楽しむ1つのポイントなのではないでしょうか?
背中から首筋、そしてキュッとまとめ上げたシニヨンまでのラインが、綺麗に引き上がっていくことで、バレエに必要な引き上げもイメージできると思います。
*シニヨンの上手な作り方
バレエの発表会では役によって多少の違いはありますが、基本は高い位置にシンプルなシニヨンを作ります。
頭が小さく見えるようにボコッとしたお団子(お饅頭や大福)のようなものではなく、頭と一体になるようなシニヨンが良いです。
慣れるまでは結構難しいので練習が必要です。
発表会に出演することが決まったら、レッスンの時から綺麗なシニヨンを作るように練習してくださいね。
<シニヨン作りに必要な物>
・ヘアゴム:緩みの原因になるので輪になっていないゴムで細すぎず、太すぎないゴムを選びます
・シニヨンネット:発表会の時は髪の毛と同色、できるだけ薄く、目が細かく大きめの形のもの(薄いのは破れやすいのでレッスンの時は少し厚いものでも良いかと思います)
・Uピン、ヘアピン:両方使うとシニヨンがしっかり固定できます
・ブラシ、くし:最初はブラシで髪の毛をまとめていき、くしで綺麗に仕上げていきます
<シニヨンを作る手順>
1.ブラシで髪の毛の絡みがなくなるまでブラッシング
2.水やヘアスタイリング用ウォーターを髪の根元、頭の表面にくっつく部分にたっぷりスプレーし、くしでまとめ上げていく(ゴムで縛るところまで濡らせば良い)
3.前髪が短い人はヘアジェルを前髪部分につけてくしでコーミング
4.前側部分、後ろ部分、サイド部分と何回もコーミングして整えていく(後ろの部分がたるんでしまうので頭は上向き加減)
5.ポニーテールで縛る位置は、横から見てあごと耳の上を線で引いた延長線上
6.縛るゴムはひも状の長いゴム(50㎝くらい)を半分に折って2本にして持ち、縛る位置で2、3回巻き付けてギュッと引いて結ぶ(ほどけないように)
7.ポニーテールの毛先をシニヨンネットの中に入れ、手でどら焼きの形になるようにまとめていく(最初に毛先に水やスタイリング用ウォーターをつけないのは、この時形がゴワゴワになってしまうので)
8.シニヨンネットの中の髪の毛をなるべく平たく潰して、頭のラインに沿うようにくっつける
9.Uピンで6ヵ所ほどすくい止めする(Uピンを立ててシニヨンの端に当て、地の髪の毛をすくうように倒しながら中心部に向かってさす) この時、Uピンでシニヨンを中心に押していかないように広げた状態をキープしてさすだけにする
10.Uピンとシニヨンを一緒にヘアピンで止める(Uピンに対して斜めにヘアピンを止める) この時もヘアピンでシニヨンの形を崩さないように注意する
11.おくれ毛などをくしでまとめ、短い毛が気になる場合はヘアピンでとめ、全体的に軽くヘアスプレーをかける
発表会では髪飾りを付ける場合が多いです。
あまりスプレーやジェルで固めてしまうと髪飾りを付けるヘアピンが髪の毛にささらないので、彫刻のように固めないようにしてください。
固まってしまった場合、水などで濡らすと、くしでコーミングしたりヘアピンもささるようになります。
発表会でここまで固めてしまうとお風呂でいきなりシャンプーしても綺麗には洗うことができません。
シャンプーの前にリンスで1回洗い流してから、シャンプー→リンスと洗ってみるといいかなと思います。
<普段のレッスンでのシニヨン>
発表会では、このようにまとめ上げますが、普段のレッスンではジェルやスプレーなどは薄く髪の毛がばらけない程度で大丈夫と思います。
ただし、おくれ毛がバラバラ落ちてきたり、前髪がある場合には、ヘアピンなどでしっかり止めてください。
小さいお子様の場合、髪の毛が垂れて顔や身体に触ると気になってしまい、手で何回も触りたくなってしまいます。
可愛らしいヘアピンやヘアクリップ、ネットなどで普段のレッスンから髪の毛をシニヨンにまとめて、『今からバレエのレッスンを頑張る』という気持ちを持たせてあげることも大切だと思います。
大人の方でも、背中から首筋までのラインが綺麗になると背中の余分なお肉や、連動して腹筋も使って引き締まった身体になってきます。
バレエは身体全体で踊りますので、理想のバレリーナの姿を目指してまずは髪の毛をまとめ上げることから頑張ってみてください。
レッスンで鏡を見た時にスラッとした姿になれるようにという意識が芽生えてくると思います。
④レッスン着について
2018.12.31
バレエを始める時に心配な事の1つにレッスン着の選び方があると思います。
バレエ教室によっては指定のレッスン着が決まっているところもあります。
入会の前に確認してくださいね。
指定のレッスン着が無い場合、ご自分で用意しなくてはなりません。
*バレエのレッスン着は何を揃えたら良いか*
・レオタード
・タイツ
・バレエシューズ
この3点は必ず必要です。
バレエ教室によっては年齢の低いクラスはタイツを履かないでレッスンする場合もあります。
・レオタード
バレエ用・ダンス用としているものを用意してください。
以前、「水着でレオタードと同じような形のものを持っているので、水着でレッスンしてよいですか?」と質問されたことがありますが、生地の伸縮性が全然違いますし水着は汗を吸いませんので、水着との併用はやめた方が良いと思います。
就学前のお子様のクラスですと比較的自由になっている教室が多いと思いますが、なるべくシンプルなデザインをお勧めします。
まず袖。
半袖かノースリーブの形が良いですね。
今は冷暖房完備のお稽古場が多いので、長袖を用意する必要はないと思います。
パフスリーブも可愛らしいですが、肩が上がってみえますので、たとえ肩に力が入っていなくても、「肩の力を抜いて、肩を下げて」と注意される可能性があります。
キャミソール型もシンプルで良いですが、小さなお子様の場合、ストラップがずれるのが気になってしまって、いつもストラップを手で直してしまう子もいます。徐々に癖になってしまいますので、発表会の時に衣裳の肩ゴムについ手がいってしまい、ポーズをとっていられない可能性があります。
次に背中の開き具合。
外国製で背中が大きく開いているデザインのレオタードは日本人の体形にはちょっとあわなくて、大人用も子供用も踊っている時に肩がズリ落ちてしまう場合があります。
そしてスカート。
小さなお子様はスカートがあるのを好みます。可愛らしいですし、バレエ教室で禁止になっていなければOKです。
但し、小さなお子様の場合、スカートとレオタードが別になっていないものが良いでしょう。
お一人で着ることができれば問題はありませんが、もしレッスンの途中でスカートが脱げてしまった場合困ります。
リボンで結ぶタイプも避けた方が良いと思います。小さなお子様のレッスンは柔軟体操も取り入れている教室がほとんどだと思いますので、寝転んだ時に結び目が身体にあたり、痛いです。
座ったり立ったりのレッスンもあります。スカート丈が長いと踏んでしまいます。
衣裳のように大きなスカートも足元が見えないですし、寝転ぶこともできないので避けてください。
小学生以上のお子様のクラスはスカートは無い方が良いでしょう。
スカートは真っ直ぐに立つために一番大切な骨盤周りを隠してしまいます。
先生方はスカートがついていても歪んだ身体を見抜いて注意してくれると思いますが、自分で鏡を見て直していく自覚を持つためにも、スカートは無い方が良いと思います。
小さなお子様のレオタードは可愛らしいのが多いですが、あくまでもレッスン着というのを忘れずに選んであげてくださいね。
・タイツ
バレエ用のタイツは肌に近い柔らかく薄い生地が素材となっています。
色は肌に近いピンク色で、筋肉の動きが見えること、肌に近い色にすることで見た目に違和感がないようにしています。
バレエタイツをなぜ履くのか?
それは筋肉の使い方や、脚のラインがはっきり見えることによって、正しい使い方をしているのかチェックするためです。
腿の前側の余分な筋肉に力が入ってしまったり、膝が曲っていたり、ふくらはぎの筋肉を固めてしまったり・・・ある程度の年齢になれば、先生からの注意だけでなく、鏡を見てご自分でも注意できるようになります。
大人の方で、脚の形を改善したいとか、脚を細くしたいとか頑張っていらっしゃる方は、是非隠さずにピンクタイツを履いてレッスンされることをお勧めします。
・バレエシューズ
バレエシューズを履いてレッスンする理由
・バレエの動きに向いている素材、構造で作られている
・足指を保護して、安全に踊ることができる
・足先まで綺麗に伸びているのか分かりやすい
・ジャンプや回転など高度な技術の練習が安全にできる
・ヒールのあるシューズだと転びやすい
・靴下や裸足の場合、足裏の保護が無いだけでなく、変に滑ったり突っかかってしまい、捻挫や突き指などの怪我に繋がる
バレエシューズの種類
・素材
布・・・ソール(バレエシューズの底)部分以外が布でできているバレエシューズ。比較的安価。伸び縮みしにくい。
皮・・・全て皮でできているタイプ、シューズの前半分(足先部分)が皮で後ろ半分(かかと部分)が布で出来ているタイプ、全体的に布で足先部分だけ皮のタイプとあり、皮の使用部分が多いほど高価になる。皮の部分が伸びやすい。
サテン・・・主に舞台用です。
・ソール(バレエシューズの底)
フルソール・・・ソール部分が足先からかかとまで1枚で繋がっている
スプリットソール・・・ソールがボール(猫の肉球にあたる所)部分とヒール(かかと)部分に分かれている
・サイズ 長さ、幅
長さ・・・普段の靴と同じサイズで良い
幅・・・メーカーによって、細幅・普通幅・広幅色々ある
バレエシューズの形や幅によって同じサイズでも大きかったり小さかったりするので、必ずフィッティングをしましょう。
5本の指が曲がらない、重ならない事を注意してフィッティングしてください。
指がバレエシューズの中で曲がったり重なったりしたら足裏のアーチ構造が崩れて正しく立っていられなくなります。
幅が広すぎたりサイズが大きかったりするとバレエシューズの中で足が動いてしまい滑ったり、足が変に踏ん張ってしまい、これも正しく立っていられなくなります。
素材が皮のタイプを選ぶと履いているうちに伸びてきますので、フィッティングの時に伸びることも考えて選んでください。
怪我なく、速く上達するためにも、レオタードも、タイツも、バレエシューズもできるだけ身体や足にフィットしたものを身に付けてレッスンしてください。バレエシューズは特にです。
③発表会に関わること
2018.12.24
バレエ教室の最大のイベントでもある発表会!
バレエ教室を選ぶポイントの1つでもあります。
・発表会に出演したいか、出演したくないか
・出演するならどんな発表会に出演したいか
・発表会にどのくらいお金と時間をかけられるか
バレエを習い始める前にご自分の気持ちの中でこの3点をはっきりさせて、それに合うバレエ教室を選ばないと後悔してしまうかもしれません。
*発表会に出演する・しない
バレエ教室によって年1回、2年に1回、発表会の他に地域のイベントに出演するなどミニステージがある・・・など様々です。
カルチャーセンターなどはバレエ教室独自の発表会は行っていない場合もあります。
大きなバレエ教室では発表会のリハーサルは通常のレッスンとは別で行うところもあり、そういう場合は発表会を開催している教室でも発表会に出演しなくても良い場合がありますが、
個人経営の小規模なバレエ教室では、通常のレッスン時間も発表会の練習を兼ねていくので、
・全員参加
・自由参加であるが、発表会まではお休みしてくださいと言われる
・自由参加で、発表会まで発表会に出演する生徒と同じように振付のレッスンを受ける
このどれかにあてはまります。
ある程度年齢が上で状況が理解できる場合は良いですが、小さなお子様の場合、自由参加でご家庭の理由により発表会に出ない場合の状況が理解できずに、悲しい思いをしてしまうことがあります。
バレエは好きなのになぜ、お休みしなくてはいけないのか
みんなと同じように一生懸命レッスンしているのに、発表会直前になり自分だけ可愛い衣裳を着ることができない
・・・なかには悲しくて悲しくて泣き出してしまう子もいるそうです。
お母様は「家で子供に言い聞かせていますので大丈夫です」と言われますが、お子様は教室の中で大変悲しい思いをされています。
ご家族の方針で発表会に出演しないのなら、発表会を開催していない教室を選んでください。
カルチャーセンターやスポーツジムのバレエ教室でも、発表会を開催しているところもありますので、最初にきちんと確認することをお勧めします。
あと、発表会は開催している教室でも、大人のクラスでレッスンされている方は参加できない教室もあるようですので、入会する前に必ず確認することをお勧めします。
*出演するならどんな発表会に出演したいか
発表会といっても様々です。
・コンサート形式で、グループもしくはソロで曲に合わせて踊るだけの発表会
地域の公民館などで行う小さなバレエ教室や、大きなホールで開催していてもカルチャーセンターなどの発表会などはクラス単位で1曲の出演という場合が多いです。
舞台装置はなく、照明も簡潔なので、観た印象は質素、同じような踊りばかり・・・という感じです。
一度に踊る人数が多すぎて、お子様を見つけられなかったりもしますが、その分、気軽に出演できるかもしれません。(出演する本人は一生懸命レッスンしなくてはいけませんが)
・バレエ小作品、物語、バレエの古典作品(『白鳥の湖』『くるみ割り人形』など)を上演している発表会
バレエは総合芸術ですので、こちらの発表会が本来のバレエの発表会です。
舞台装置、照明、衣裳、音響・・・全てプロが創り上げていきますので、ある程度の大きさのホールでないと開催できません。その分見応えはあります。
ご自分やお子様がどのような発表会に出演したいかによって選ぶ教室も変わってきます。
*発表会にどのくらいお金と時間をかけられるか
どのような発表会に出演したいかと関わってきますが、発表会にかかる経費を出演者で負担して発表会は成立するので、質素な発表会なら発表会全体の費用は少なくなります。
そして、発表会に出演する人数が多ければ一人当たりの負担金額は少なくなります。
年齢が上がってきて発表会で踊る曲数が増えたり、少人数で踊ったり、男性と組んで踊ったりで負担金額の割合を変えている教室が多いと思います。
バレエの作品を上演している発表会に出演する場合最低10万円~15万円くらいはかかります。
配役によってはもっとかかります。
発表会の経費内容は
会場費、会場の付属設備使用料、舞台監督費、舞台セット・照明・音響などのレンタル費、発表会用の音楽製作費・音楽に関する著作権料、衣裳代(オーダーメイドかレンタルで随分変わってきます・クリーニング代)、リハーサルのためのスタジオレンタル代、チラシ・プログラム製作費、宣伝費、写真・DVDなど撮影料、スタッフの人件費、スタッフのお弁当・お茶代、ゲストがいる場合ゲストへのギャラ・・・
これだけで相当な金額になります。発表会の費用のほとんどがこれに消えていきます。
そこに先生の演出・振付・指導料、上記の様々な手配にかかる時間と打合せなどの金額を加味できる場合は大きなバレエ教室だと思います。
お一人お一人の金額としては発表会に10万円~15万円って結構な金額だと思いますが、実際にこれだけかかります。
そして時間・・・
通常のレッスンの他に発表会用のリハーサルが週に1、2回増えます。
発表会でみんなで踊るということはみんなで揃ってリハーサルをして並び順を綺麗にしたり、動きをそろえたり、レベルも同じように上達していって欲しいです。
誰か一人お休みすると他の人に迷惑が掛かってしまいます。
リハーサルは全部参加する意識が必要です。
衣裳合わせ、照明合わせ、衣裳・小道具などつけてのリハーサル、本番前の舞台での場当たり、舞台リハーサル、舞台稽古
これらの手順を踏んで発表会本番になります。
どれもがバレエ教室内部のリハーサルではありません。
舞台に関わる外部のスタッフとのリハーサルですので、勿論主演者全員必要です。
外部のスタッフが関係するリハーサルは事前に日にちの提示があると思いますので、その日も必ず参加する意識が必要です。
発表会は金額的にも時間的にも大変な事だと思います。
ですが、
発表会に出演することで人は大きく上達します。
色々な人と関わりをを持つことで人間的にも成長しますし、自分を舞台の上で表現することで感性も豊かになります。
発表会という期限があることでバレエのレベルも確実に進歩します。
バレエはスポーツではなく芸術です。
表現することに最終目的があります。
その最終目的のために体幹を鍛え、日々地道な基礎レッスンの反復練習をしています。
その最終目的が発表会なのです。
②レッスン料、体験レッスンについて
2018.12.17
沢山あるバレエ教室・・・
バレエを習う目的に合わせてバレエ教室を選ぶわけですが、レッスン料の支払いかたが色々あって迷われる場合があるのではないでしょうか?
*入会してバレエ教室に所属するorオープンクラス
まず始めにどのような生徒になるかです。
お子様の場合(特に年齢の低い小学生や幼児)は、ほぼ100%入会してバレエ教室に所属します。
入会金を支払い、毎月月謝制でレッスンを受講します。カルチャーセンターやスポーツジムなどもそうですね。
(月謝制のお話はあとでもう少し詳しくお話しますが・・・)
大人の方や学生の方でもある程度のレベルに達した方の場合、オープンクラスでレッスンを受講できる教室もあります。
オープンクラスというのは、どなたでもレッスンできるクラスのこと、レッスンを受講したいときにレッスン料を支払って受講するのです。
基本的にオープンクラスは大人になってからバレエを始める方、子どもの頃バレエを習っていたが暫く休んでいて大人になってからバレエを再開される方など大人(大学生もかな・・・)の人が受講するクラスです。教室によってはレベル分けされていますが、ブランクのある経験者の方が初級クラスを受講されたりしていますが、ご本人の目的により好きなクラスを受講できます。
また、プロやセミプロの方のためにあるオープンクラスもありますので、オープンクラスならどのクラスも受講できるわけではありません。事前にどのようなレベルのクラスか確認されると良いでしょう。
*月謝制とチケット制、ビジター料金
次にレッスン料の支払いかたです。
お子様の場合はバレエ教室に所属していらっしゃいますので、入会金を支払い毎月月謝制で支払います。
月謝制というシステムは、月に一定額を支払って週に〇回、もしくは月〇回受講します。
1回ずつレッスン料を支払って受講するより割安に設定されているところが多いです。週1回の月謝より、週2回の月謝の方が更に割安に設定されていることもあります。
「1ヶ月〇回レッスンを受講しますのでよろしくお願いします」、と前月の月末か当月の月初めに支払うケースが多いです。今月何回レッスンするか先に決めるから割安でレッスンできるのです。航空券なども早くに申し込むから早割で安く購入できますよね。
お休みなどで月謝の支払う期日までに支払いできない場合は、その旨を教室の先生やカルチャーセンターでしたら事務の方にお話して事前にご相談されると良いでしょう。期日を過ぎてから「今月はお休みします」とか「今月は回数を少なくします」とかは受け付けてもらえません。航空券も搭乗日過ぎてから払い戻しはしてもらえませんよね。
月謝は受講する曜日などを指定する場合が多いですが、教室によっては、都合でレッスンを受講できない場合に振替ができなかったりします。
当教室の場合は、生徒の都合でお休みをした場合、当月中なら振替できるようにしています。
バレエは地道な反復練習によりレベルが上がっていきますので、コンスタントにレッスンを続けていくことが大切です。ですので子どもや学生の所属の生徒は月謝でレッスンを受講するのです。
チケット制というシステムは、〇枚綴り(カードに回数が記入されている場合もあります)のチケットをあらかじめ購入し、レッスン毎にチケットを渡してレッスンを受講します。
オープンクラスのレッスンに多いですが、所属の場合もチケットを併用している教室もあるようです。月謝と同様に1回ずつレッスン料を支払うより割安に設定されているところが多いです。
ただし、有効期限を設けているところもありますので、購入したチケットを使いきれるかどうかしっかり考えて購入してください。
月謝制もチケット制も事前にレッスン料を支払うことでお得にレッスンが受講できるようになっていますが、レッスンに通い続けるか迷っていたり、忙しくて先の予定が頻繁に変わってしまう方などはビジターという1回のレッスン料金を支払い受講します。体験レッスンもビジターに当てはまります。
*体験レッスンについて
バレエ教室を選ぶ最大のポイントは体験レッスンだと思います。体験レッスンまでの流れと注意点についてお話します。
1.体験レッスンしてみたいバレエ教室を選ぶ
2.体験レッスンを受講できる曜日と時間を調べる
3.その教室に尋ねる
・体験レッスンができるか、体験レッスンの料金
・体験レッスンの時の服装、持ち物
・体験レッスンに申し込む・・・受講する人の名前、年齢、連絡先(お子様の場合は保護者の名前と連絡先)
服装は『動きやすい服装で』と言われることが多いです。動きやすいといっても、動きやすければどんな服装でも良いわけではありません。
ダボダボの上着にダボダボのパンツやスカートではレッスンは出来ません。Tシャツとスパッツなど身体にある程度フィットする服が良いでしょう。生徒はレオタードにタイツでレッスンしています。レッスンしているうちに熱くなってきますので、冬でも薄着に脱げるように考えて選ぶと良いでしょう。
靴下も必要です。
バレエは踊っていて滑らないようにバレエマットを床に敷いている教室が多いです。裸足ですと、床に引っかかって怪我してしまう場合もありますし、足の脂が床につき床が滑りやすくなってしまいます。靴下を持参しましょう。
ヘアースタイルは、できる限りアップにまとめましょう。髪が短い場合はゴムで縛ったりヘアーバンドやヘアピンなどで押さえてバラバラにならないようにします。
バレエはまず、真っ直ぐ立つことが大切です。首筋がどれくらい伸びているかが姿勢に影響してきます。
4.体験レッスン当日
・レッスン時間より少し早めに到着し、体験レッスン受講者であることを伝え、手続きをして着替える
・体験レッスンを受講する
小さいお子様の場合、保護者の方から離れてレッスンの輪に入り楽しそうなら大丈夫です。最初からレッスンについていける人間はいません。レッスンを受けている時のお子様の表情や他の生徒さんの表情などを観察されるとお子様がその教室に合うかどうかが感じられると思います。
小さなお子様は2教室ほどの体験レッスンで決められるのが良いと思います。あまり沢山の教室のレッスンを受けるとお子様は混乱します。
大人の方やある程度大きい学生の方は色々体験レッスン受けるのも良いと思います。一度入会してレッスンを始めてしまうと変わっていくのも大変なことです。
・レッスンの前後に先生から教室の理念など考え方を聞く、
月謝などの料金、発表会の有無や参加条件と費用などもきちんと聞いておくことが必要です。発表会はあるが大人の方の参加は出来ないなどの場合もあります。お子様はレッスン着などが指定されている場合があります。
・レッスンが終わったら、即決しないで、家に帰ってもう一度よく考えて決めましょう。お子様の場合はご家族でよく話し合いましょう。
*補足・・・
お子様の場合、入会してその教室の所属になってレッスンを受講します。
どうしても教室の雰囲気に馴染めない、とか
家族の都合で今の教室には通えなくなる、とか
目的が変わったのでバレエ教室を変えたい・・・など、様々な理由でバレエ教室を変わるのは自由です。
ただし、同時に違う教室に通うことは、ほとんどがタブーとされていますので、もし見つかるとどの教室も受け入れてくれない事もあり得ます。
体験レッスンで「他の教室で習っているので初心者では無いです」とおっしゃる保護者の方には、私も
「今現在通っていらっしゃるお教室を退会してからいらしてくださいね」とはっきり申し上げます。
姉妹校や先生同士に繋がりがある場合は、どちらかに所属してどちらかはオープンクラスで受講など考慮される場合がありますので、所属の先生とよくご相談なさってください。勝手な行動は新しい教室の先生にも迷惑がかかる場合があります。
①ご自分にあったバレエ教室の選び方 その2
2018.12.10
≪バレエを習い始める前に知っておきたいこと
①ご自分にあったバレエ教室の選び方 その2≫
その1では、
*バレエを習うメリットやデメリット
*バレエを習う目的
についてお話しました。
今回は・・・
*バレエ教室の種類
バレエ教室とひとまとめになっていますが、教室の形態は様々です。
ご自分の、もしくはお子様のバレエを習う目的と合わせて教室選びのポイントになってきます。
・カルチャーセンター
色々な講座がある中のひとつにバレエの講座をやっていらっしゃいます。
バレエを始めるきっかけには良いでしょう。・・・私も子供の頃はそうでした。
趣味で通っていらっしゃる方がほとんどです。受講料も抑えているところが多いので気軽に通えると思います。
基本的に3ヶ月や半年のサイクルでの受講という形をとっていますので、受講料も3ヶ月分一括で前払い・・・となりますし、受講期間の途中では入会できない場合もあります。
他の講座と同じスタジオでレッスンをしますので、バーや鏡はあっても床がバレエ用になっていないところが多いです。
バレエはバレエマット(リノリウムともいわれる滑り止めのマット)を敷いてレッスンします。発表会の時にも劇場の舞台の床にバレエマットを敷き詰めます。
滑り止めの他に床から受ける衝撃のクッションの役割もあります。
あと、カルチャーセンターは発表会をしていないところもありますし、発表会を開催しているカルチャーセンターも他の講座との合同発表会になるケースがほとんどですので、クラス単位で1曲踊る程度になります。
受講料を何ヶ月分も一括でお支払いするということは、入会してレッスンを始めてみてご自分に合わないと思っても、受講料分はレッスンしないともったいないですよね。
事前に色々なレッスンを見学してクラスや先生の雰囲気、発表会をどんな感じで開催しているのかなど確認する必要があります。
・個人運営のバレエ教室
〇〇バレエ教室、〇〇バレエスタジオなど、個人運営・家族運営・共同運営している小規模なバレエ教室です。
当教室もここです。私一人で運営しています。
長年踊っていたダンサーが現役を引退して・・・
現役で踊りながら・・・
海外でバレエ教師の資格を取得した先生が・・・
(※日本にはバレエ教師の公的な資格がありません)
先生のバレエに対する考え方や指導方針などが強く出ますので、ご自分の目的やバレエとの関わり方がピッタリとあった先生に出会えると良いですね。
発表会は年1回だったり、2年に1回だったり、年1回の発表会の他にミニステージがある・・・など教室によって様々です。発表会も全員参加か希望者だけかも教室の考え方によります。
発表会にかかる費用も、発表会の内容や会場の規模、出演者のレベルによっても違いますので一概には言えませんが、100,000円くらいからだと思います。・・・発表会の事は長くなりますので別にお話したいと思います。
事前に先生や教室の考え方をレッスンを見学したり、ホームページやSNSの投稿などを見て検討されると良いと思います。
・バレエ団付属のバレエ教室
プロのバレエダンサーを目指す子どもを育成する目的が強い教室です。
世界の歴史のあるバレエ団(国立、なかには私立の場合もありますが…)にはだいたい付属のバレエ学校があり、卒業してバレエ団に就職していきます。
直属のバレエ団にはごく少数しか就職できませんので、直属のバレエ団に就職できない生徒たちはその他のバレエ団に就職活動するのです。
日本には新国立劇場バレエ団が国立でありますが、海外のバレエ学校のような子どもから入学できる付属のバレエ学校はありません。
各地にある私立のバレエ団の付属バレエ教室はたくさんあります。バレエ団によって踊りの雰囲気が違いますので、いいなと思うバレエ団の付属の教室があり、そこで頑張ってレッスンしていたら将来、そのバレエ団の一員になって舞台に立てる日が来るかもしれません。
バレエ団の現役ダンサーを間近に観る機会があったり、子役として舞台に起用してもらえる可能性もあります。
付属のバレエ教室の発表会でもとても規模が大きいと思います。
私も小学5年生からバレエ団の付属研究所に入り、準団員を経て団員なり、バレエ団の様々な公演に出演してきました。ロシアの先生の指導を受けたり、クラシックバレエの古典作品の全幕上演に出演したり、クラシックバレエだけでなくコンテンポラリーダンスの作品に出演する機会があったり・・・と本当に色々な経験をさせていただき、バレエ団団員時代は私にとって大切な宝物です。
・スポーツジムのバレエクラス
最近はバレエクラスを持っているスポーツジムが増えてきました。
バレエを習うというよりは、色々なスポーツを楽しみたい中でバレエも経験してみる!という方には良いと思います。
発表会は期待しない方が良いかもしれません。
・選び方のポイント
バレエ教室に限らず、一度入ってしまうと環境の変化がない限りなかなか教室は変えにくいですよね。
先生によって指導の仕方が違いますので(最終的な到達点は同じなのですが、表現の仕方は人それぞれなので・・・)、バレエ初心者の方やお子様は頭の中が混乱してしまいます。
ですので、教室選びは大変重要です。
まず、
バレエを習う目的をはっきりさせ、
通いやすいか、
経済的な負担はどのくらいまで大丈夫か、
見学したり、体験レッスンしたりして検討に検討を重ね、納得した形で決めてください。
*見学の時のポイント
・基礎をしっかりと指導しているか
・先生はどんな教え方をしているのか
・先生の人柄
・習う本人が習いたいと感じたか
・レッスンを受講している方々の表情や雰囲気
・受講している方々が挨拶など人間としての基本的なことができているか
・ご自分の受講するクラスだけでなく、他のレベルのクラスもできれば見学してみる
割り切ってバレエの技術だけ習う!というわけでは無いと思いますので、ご自分やお子様にあったバレエ教室を探してください。