⑯マネージュ
2020.02.09
バレエ教師が伝えたい バレエのレッスン疑問点 no.95
センターレッスンの流れ
⑯マネージュ
*マネージュ*
manège・・・フランス語 メリーゴーランド、回転木馬の意
馬術からきた用語で馬の調教に際し、馬を馬場いっぱいに丸く走らせるということからバレエにおいても
舞台またはレッスン場で円を描くようにして動いていくことを指します
ピケ・アン・デダンやシェネなど回転技で進んだり、ジュテ・アントルラセやクペ・ジュテ・アントゥールナンなどのジャンプで進んだり、それらを組み合わせたり・・・
アンシェヌマンには様々なパターンが考えられます
ヴァリエーションの振付などでよく見るピケ・アン・デダンなどのように1つの回転技だけの連続で円を描いて進んでいくことが思い浮かぶと思いますが、群舞で、みんなで円を描いて踊っていく時もマネージュです
マネージュで進むときは真っ直ぐに進む時と違って、見ていく先(目標)を少しずつ変えていかなくてはいけないので大変難しいです
進む経路が上手に円の軌道が描けるようになるまで何度も何度も練習を重ねます
身体の方向感覚・軌道
集中力
体力
一緒に踊る人との間隔などの関係性・調和
など、パの技術は勿論ですが、空間認識や客観性などもとても必要になってきます
特に回転技でマネージュをするときは
まず
真っ直ぐに進む練習して
↓
パの技術を上げてから
↓
マネージュの練習に取り掛からないと、自分がどんな動きをしているのかもわからなくなってしまいます
マネージュでよく使われる回転技をご紹介しましょう
*ピケ・アン・デダン*
piqué en dedans・・・フランス語
piqué・・・突き刺す の意
en dedans・・・内側へ の意
バレエにおいては
軸脚を突き刺すようにルルベやポアントで立ちながらアン・デダンの方向へ回転していくことを指し、パの用語です
*ピケ・アン・デダンの手順*
1)進行方向側の脚を前にタンデュしてプレパレーション(準備)
2)前タンジュからロン・ドゥ・ジャンブして横に
同時にもう片方の脚はドゥミ・プリエ
3)プリエしている脚で床を蹴って、横にロン・ドゥ・ジャンブした脚でポアント(ドゥミ・ポアント)に立つ
床を蹴った脚は後ろのパッセにつけ軸足の方向へまわる
4)後ろパッセの脚を軸脚の後ろにおろしドゥミ・プリエ
回転時の軸脚は進行方向へ伸ばす
連続して行う時は3)、4)を繰り返す
*ピケ・アン・デダンの注意点*
☆スポット(見ている先・目標)を決めて
回転技はスポットをきちんと見て回転しないと目が回ってしまいます
☆素早く軸脚に体重を移動させる
針をグサッと指すように瞬時に軸脚の上に立ちましょう
☆軸脚のヒザが曲がらないように引き上げる
体重が脚にかからないくらい上半身を引き上げて
長く伸びた軸脚の一番上に骨盤が浮いているようなイメージを持つと良いかもしれません
☆ルティレ(パッセ)はヒザの後ろにつける
プリエから床を蹴った脚を素早くルティレにつけることを意識します
ルティレの脚を軸脚にきちんとつけることでバランスも軸の上にまとまってきます
*ピケ・アン・デオール*
piqué en dehors・・・フランス語
piqué・・・突き刺す の意
en dehors・・・外側へ の意
バレエにおいては
進行方向へ1歩踏み出し、次の脚をルルベやポアントで立ちアン・デオールの方向へ回転していくことを指し、パの用語です
*ピケ・アン・デオールの手順*
1)進行方向側の脚を前にタンデュしてプレパレーション(準備)
2)前タンジュの脚を進行方向へ1歩だし、そこへ体重を移動してトンベ・ドゥミ・プリエ
同時にもう片方の脚はア・ラ・セゴンにデガジェ
3)ア・ラ・セゴンの脚をプリエした脚の前に引き寄せてピケで立ち、プリエしていた脚はルティレ(パッセ)にしてルティレの脚の方向へ回転する
連続するときはルティレの脚をトンベ・プリエにして2)、3)を繰り返す
*ピケ・アン・デオールの注意点*
☆トンベで上半身は引き上げを保ったまま
トンベ tombé・・・フランス語
転ぶ、倒れる、落ちるの意味の動詞tomberが元で 落ちた、倒れた の意
バレエにおいては引き上げたところから重心移動をするパの一つですが
言葉通りに落ちていかないように高いところから放物線を描くようなイメージでふわっと柔らかくトンベします
ピケ・アン・デオールはトンベしたポジションが軸脚が立ち上がるきっかけになりますので、腰が落ちたり猫背になったりしないよう強く身体を引き上げていてください
*横に出した脚を前に引き寄せる
ピケ・アン・ドゥオールは、横に出した脚を前に引き寄せ軸脚になります
軸脚が進行方向にきちんと引き寄せれられるように注意しましょう
あっちについたり、こっちについたりしているとそのまま回転を続けても、まっすぐに進めず、フラフラして目が回ってしまいます
*ルティレの脚は軸脚にきちんとつける
ピケ・アン・デダンと同じでルティレの脚は軸脚から離れないように
*回転時のアン・デダン、アン・デオール*
回転の時は軸脚に対してどちらの方向に回転していくのか考えます
*アン・デオール(en dehors・・・外側への意味)の場合
左脚軸、右脚ルティレ(パッセ)のポジションの時、右へ回ります
ルティレしている右脚を、軸脚の左脚に対して外へ広げていくような回転方向(バレエの基本であるアン・デオールをしていく方向)です
*アン・デダン(en dedans・・・内側への意味)の場合
左脚軸、右脚ルティレ(パッセ)のポジションの時、左へ回ります
ルティレしている右脚を、軸脚の左脚の方へ巻き込んでいくような回転方向です
この時、ルティレの脚はアン・デオールし続けています
間違ってもおへその前にヒザが来てしまうような縦向きのルティレにならないように注意してくださいね
*シェネ*
chaines・・・フランス語 連鎖、鎖、チェーン の意
バレエにおいては
回転技の1つで、両脚を1番ポジションもしくは5番ポジションでポアントやドゥミ・ポアントで連続で回転しながら直線や円を描くように移動することを指す、パの用語です
進行方向に向かってクルクルと回転が繰り返され、小さなターンがチェーンのように連なっていくイメージです
*回転技のコツ*
私は激しく運動音痴なので何度も何度も反復練習をしないと先生に指導していただけるレベルにすらなりません
初めて習ったはずのステップがスムーズに踊っていくことができる人を見て素晴らしいと思いながら、地道に練習していくしか方法はないので、先生の言葉を思い出しながら自習していました
そんな私が実感してきた回転技で大切なこと
☆背骨を下から順に頭の先まで伸びあがる
このイメージをするときに
背骨の背中側ではなく
前側を意識して伸びあがっていくと
身体の中心を感じることができます
☆力まない
回転することに怖さがあるのでどうしても全身がこわばってしまい、余分な力が入ってしまい、肝心の下腹や足裏に力が入らなくなってしまいます
回転するときに瞬時にポアントの先まで立ち上がることが大切ですが
エイッと言って立ち上がるのではなく
すぅーっと言って立ち上がってみたら
少し力みが抜けてきました
力みが抜けると首を動かすことができるので、身体を歪めずにスポットに顔をつけることができるようになります
☆骨格アライメントを崩さない
右回転の時に
身体の右側を回転していくのではなく
右回転の時に
身体の左側(肩、脇、腸骨、腕)を
送り込み続ける意識をします
回転しているときに正しい姿勢から外れてしまうと回転軸もズレてしまい失敗してしまいます
右回転すると考えると無意識のうちに右に行こうとしてしまい、バランスの重心が右にズレてしまったり、肋骨が広がってしまったりして正しい姿勢から外れてしまうことに気づきました
そして回転し始めた時のポジションは正しく出来ても、そのポジションから回転に繋がらず止まってしまったりもしました
回転技を習得するためには
正しいポジションを覚えることと
回転し続けることの
両方ができなければ上達しません
私の場合、
右回転の時に身体の左側(肩、脇、腸骨、腕)を送り込み続ける意識をすることで正しいポジションと回転し続けることが少しわかったような気がします
ピケ・アン・デダン、ピケ・アン・デオール、シェネなどの回転技を連続でマネージュしていくのは本当に難しいです
パが正確にできることが第1条件ですが
まず
真っ直ぐ進むことから練習して
そこからスポットを少しずつ変えて
円を描くように進んでいくことができるように練習してください
回転技は練習すれば練習しただけ上達すると言われます
運動音痴の私でも練習すればある程度回転できるようになりました
頑張って練習して少しでも回れるようになるととても嬉しくなります
そして、できれば左右どちらも同じように回れるようになれると良いですね
師事していた石井潤先生がレッスンの時に仰っていたことがあります
「振付家としては、このシーンでダンサーを左右対称に踊らせたいと思ったときに回転技が出来ないために振付を変えなければならないのはとても残念。だったらダンサーを変えようかと思うかもしれない。人間、得手不得手はあると思うけれど左右同じように踊ることができればダンサーとしてチャンスが巡ってくるかもしれない。頑張って。」
とても心に響いた言葉でした
バレエは体幹を使って身体をコントロールして踊っていきます
回転技だけではなく全てのパをコントロールして踊っていけたらとても素晴らしいですよね
~~・・・~・・・~・・・~・・・~・・・~・・・~・・・~・・・~・・・~~
YouTubeで
レッスンアンシェヌマン(順序)を
アップしています!!
いつもレッスンを受けているのに自習をしようとしたら、レッスンの順番がわからない時などありませんか?
バーレッスンやセンターレッスンの順序(アンシェヌマン)の説明している動画をアップしています
☆私が今まで受けてきたレッスンの中から抜粋して作っています
☆アンシェヌマン(順序)を説明しているだけの動画ですので右側だけとか、前からの順序だけだったりします
☆バーレッスンからセンターレッスンまで1つのクラスレッスンになっています
自習する時などに使ってくださいね
☆YouTubeチャンネル登録はこちらから☆
↑
どちらからでもOKです
↓
https://www.youtube.com/channel/UCQ_IEhO3zSrMALs5QQKFAaw/featured
「再生リスト」をクリックしてみてください
「レッスンアンシェヌマン」にアップしています
他にも「トレーニング動画」や「イベント情報」もアップしています
「トレーニング動画」には
バレエ初心者の方でもできるバレエに必要な体幹トレーニングやストレッチもアップしていますので
☆健康的な身体を目指している方
☆美しい姿勢に憧れている方
是非、ご覧ください
動画を見てわからないことなど質問もお気軽にどうぞ、お待ちしています
~~・・・~・・・~・・・~・・・~・・・~・・・~・・・~・・・~・・・~~
体幹や足裏のトレーニングのオンライン動画講座を作りました
ストレッチは現在作成中です
他にも、毎週1本ずつアップされるたくさんのトレーニング動画からご自分に必要なトレーニングを選んでできるようになっている月会費『床の上でのバレエ』もあります
月会費は毎月の課金でご登録の間はいつでも動画が見られます
年齢やレベルによって分かれていますので、ご自分に合ったトレーニングができますし
瀬間亜理砂バレエ教室の生徒以外の方にはLINE@などでフォローアップもあります
オンライン動画講座は、バレエのレッスンに通うことまでは出来ない方にもピッタリです!
オンライン動画講座の良い所は・・・
*レッスンやブログでお話していることを図や動画で説明していますので、言葉だけよりも解りやすい
*レッスンのように音楽に合わせて動画と一緒にトレーニング
*トレーニング回数を数え、耐えながらトレーニングをするのではなく、レッスンのように意識することや注意点など聞きながらトレーニングを行うので、イメージしやすい
*今までは、レッスンに行かなければ受講できなかったことが
ご自宅で
お好きな時間に
ちょっとした空き時間を利用して
トレーニング1つから出来る
聞き逃した時も見直せる
月会費は月謝のように毎月課金、その他のものは買い切りで、登録を解除するまでずっと見ることができます
ご興味があったら覗いてみてくださいね
↓ ↓ ↓
オンライン動画講座 詳細
~~・・・~・・・~・・・~・・・~・・・~・・・~・・・~・・・~・・・~~
瀬間亜理砂バレエ教室
LINE公式アカウント お友達追加お願いします
ご登録の方に オンライン動画講座
『ご自宅で簡単にできるバレエに必要なトレーニング&ストレッチ』
無料ミニコースをプレゼント!
Facebookはこちら→https://www.facebook.com/arisaballet2000/
Instagramはこちら→https://www.instagram.com/arisaballet2000/
YouTubeチャンネル登録はこちら↓
https://www.youtube.com/channel/UCQ_IEhO3zSrMALs5QQKFAaw/featured
Pinterestはこちら→https://www.pinterest.jp/arisaballet2000/