⑥ バレエのレッスン内容って?どんなことを習うの?
2019.01.28
バレエ教師が伝えたい バレエのレッスン疑問点 no.42
バレエを習い始める前に知っておきたいこと
⑥ バレエのレッスン内容って?
バレエを習い始める前にレッスンっていったいどんなことをするのか・・・?
バレエのレッスンを受けて身に付けていくことは、
*ストレッチ
*体幹トレーニング
*バーレッスン
*センターレッスン
年齢やレベルに応じてどこに重点を置いてレッスンするか違ってきますが、これらを日々反復練習をしていくことで、細いけど強くしなやかな身体で、思い通りにコントロールしながら踊ることができるようになっていきます。
*ストレッチ
レッスンの前に過度なストレッチをすると身体の筋肉が伸びきってしまうので、ストレッチをしすぎないように注意します。
ストレッチをせずにレッスンをすると怪我をしてしまうこともありますので、ご自分の身体に対して適度なストレッチを行います。
バレエのレッスンの前には、筋肉を頑張って引き伸ばすストレッチではなく、関節の可動域を広げるストレッチを中心に行います。
バレエのレッスンの後には、使った筋肉を十分に引き伸ばすストレッチを行い、筋肉の修復を行います。
*体幹トレーニング
体幹の深層筋を使って身体の軸をしっかりさせ、身体をコントロールして踊るために必要です。
バレエを踊るうえで最も大切な下腹(…骨盤底筋群)や内腿(…内転筋)をトレーニングしてからバーレッスンを行うと、バレエで使わなくてはいけないそれ以外の部分も意識しやすくなります。
*バーレッスン
バーという棒につかまってレッスンします。バレエを踊る身体をつくるために非常に重要なレッスンです。
バーは握ったり寄りかかったりせずに、バーの上に手をのせてバランスを支えてもらうようにしてレッスンします。
バーに向かって(バーと平行に立ち)、両手をバーの上にのせてレッスンしたり、バーに対して垂直に立ち片手をバーの上にのせてレッスンします。
片手バーにのせてレッスンする時は
最初に、左手をバーにのせて右手を横に広げ、左足で立って(軸足)右足を動かし、
次に、右手をバーにのせて左手を横に広げ、右足で立って(軸足)左足を動かします。
*センターレッスン
バーレッスンが終わるとセンターレッスンです。
稽古場のセンター(中央)でレッスンします。バーという支えがないのでご自分で身体をコントロールさせて踊ります。逆の言い方をすると、センターレッスンでご自分の身体をコントロールできるようにバーレッスンを行います。
ジャンプしたり回転したり、技術も難しくなりますが、センターレッスンの一番の目的は空間認識です。
正面に対してご自分がどちらを向いて踊っているのか、稽古場の中のどの位置から踊り始め、どちらに進んでいくのかなどなど・・・
この4つのレッスンが年齢やレベルによってどのように違うのかというと・・・
(教室によってクラス分けの年齢は多少違いがあると思いますが)
<就学前のお子様>
レッスンの目的は、音楽にふれ、身体を動かすことの楽しさを知ることです。
あとは、礼儀やお行儀も身に付けます。
ストレッチやセンターレッスンの割合が多いです。
<小学校低学年>
バレエの基礎を身体に覚え込ませます。
バーレッスンの割合が多いです。適度なストレッチと体幹トレーニングも必要になってきます。
<小学校高学年>
バレエの基礎を身体に覚え込ませるのは低学年と同じですが、センターレッスンで何も支えてもらうものがなく、自分の身体コントロールしていくことも覚えていくため、バーレッスンとセンターレッスンの割合が同じくらいです。
ストレッチと体幹トレーニングもしっかり行っていきますが、1回のレッスン時間の中で全て行うことは時間的に無理ですので、レッスンの前に自分でストレッチと体幹トレーニングを出来るようにします。
女の子はトウシューズも履いてレッスンするようになります。
・・・骨がしっかりしないうちにトウシューズを履いてレッスンしてしまうと骨の成長に影響が出てしまいますので、年齢が低いうちにトウシューズを履くことは危険です。
永久歯が生え揃うくらいの時期が良いと言われています。
<中学生以上>
レッスン時間も長くなり、より高度な技術を身に付けていくようになります。
どんなに上級クラスになっても、レッスンはバーレッスンから始まり、センターレッスンに続きます。
<大人 初心者>
それぞれレッスンを受ける目的が違うと思いますので、バレエ教室やカルチャーセンターなどの大人向けクラスは様々なスタイルがあります。
・ストレッチが多くを占め、バーレッスンを少しでほとんどセンターレッスンはしないクラス
・ストレッチ、ヨガ、ピラティスなど取り入れて身体づくりに重点を置いているクラス
・バーレッスンとセンターレッスンが同じくらいの割合のクラス
大人向けのクラスは様々なクラスがあるので、入会を決める前に良く調べて、目的にあった教室やご自分のレベルにあったクラスを決めてくださいね。
*初めてのレッスンでの注意点*
<稽古場の中でのレッスンする場所が重要です>
先頭になってしまうと勝手がわからなくて困ってしまいますね。
どちらの方角が先頭になるのかもわからないと思いますので、周りの方や先生に「初めてですので・・・」と伝え、安心できる場所に入れてもらいましょう。
<レッスンの雰囲気を乱さないように気を付けましょう>
バレエは本来、セリフがなく音楽に合わせて踊っていくものです。
レッスンを受ける時も、ぺちゃくちゃおしゃべりをしないようにしましょう。
勿論、わからない事は先生にお尋ねして理解してレッスンしなくてはいけませんが、グループでレッスンを受けるのですから、他の受講生の方のことも考えましょう。
ご自分がわからない事、知りたいことをその場でわかるまで解決したい方は個人レッスンをお願いした方が良いと思います。
バレエはイタリアで発祥し、フランスの宮廷舞踊で花開き、ロシアに渡って今現在のような形態になりました。
秩序を重んじ、決められたポジションがあり、ポジションからポジションの移動経路も決められています。
バレエのレッスンは決められたポジションや移動経路を身体が覚えるまで反復練習をすることから始まります。
きちんと先生に習うことで正しいポジションを覚えることができるので、先生に対して教えてもらうことへの礼儀やお行儀が必要になります。
(…これはバレエに限らず、人から技術や知識を教えていただくためには必要なマナーですよね。)
年齢の小さなうちから音楽に合わせて楽しくレッスンをしながら、秩序や礼儀、お行儀を徐々に身に付けていき、バレエの基礎をしっかり習う年齢になった時に先生のお話をきちんと聞くことができるようになります。
そして、決められたポジションができるようになって宮廷で踊ることができるのであり、現在では、ステージでの発表ができるようになります。
文章にすると大袈裟に感じてしまうかもしれませんが、技術と一緒に意識も学んでいくので、それがバレリーナの雰囲気だったり、姿勢だったりに現れてくるのだと思います。
これから、バレエを始めようと考えている方も、もうレッスンを始めていらっしゃる方も、バレエの技術だけでなくバレリーナの意識も習得していってくださいね。