⑤バレエの髪型について
2019.01.07
chignon (シニヨン・・・フランス語)
束ねた髪をサイドや後頭部でまとめた髪型のこと
簡単に言えば、ポニーテールに縛った毛先を丸くまとめたもの
日本ではファッション性より動きやすさを重視した髪型として認知されており、バレリーナや、体操・新体操などのアスリート選手がよくしています。
その形状から「お団子」「お団子ヘア」「お団子頭」などと呼ばれることも多いですね。
では、なぜバレリーナはシニヨンにするのでしょうか?
それは・・・頭を小さく魅せることが発祥なのです。
・踊る時に邪魔にならないように髪をまとめる
・教室の床に髪の毛が落ちないようにする
・周りの方々に迷惑がかからないように
などなどの礼儀としての理由もありますが、
バレエの美しいとされる姿は
頭は小さく・腰は高く・手足が長く
が、理想で、大人も子どもも憧れのバレリーナに少しでも近づけるように日々レッスンを頑張ります。
憧れの姿に見えるようにするには、どのようにしていくのかも、バレエを楽しむ1つのポイントなのではないでしょうか?
背中から首筋、そしてキュッとまとめ上げたシニヨンまでのラインが、綺麗に引き上がっていくことで、バレエに必要な引き上げもイメージできると思います。
*シニヨンの上手な作り方
バレエの発表会では役によって多少の違いはありますが、基本は高い位置にシンプルなシニヨンを作ります。
頭が小さく見えるようにボコッとしたお団子(お饅頭や大福)のようなものではなく、頭と一体になるようなシニヨンが良いです。
慣れるまでは結構難しいので練習が必要です。
発表会に出演することが決まったら、レッスンの時から綺麗なシニヨンを作るように練習してくださいね。
<シニヨン作りに必要な物>
・ヘアゴム:緩みの原因になるので輪になっていないゴムで細すぎず、太すぎないゴムを選びます
・シニヨンネット:発表会の時は髪の毛と同色、できるだけ薄く、目が細かく大きめの形のもの(薄いのは破れやすいのでレッスンの時は少し厚いものでも良いかと思います)
・Uピン、ヘアピン:両方使うとシニヨンがしっかり固定できます
・ブラシ、くし:最初はブラシで髪の毛をまとめていき、くしで綺麗に仕上げていきます
<シニヨンを作る手順>
1.ブラシで髪の毛の絡みがなくなるまでブラッシング
2.水やヘアスタイリング用ウォーターを髪の根元、頭の表面にくっつく部分にたっぷりスプレーし、くしでまとめ上げていく(ゴムで縛るところまで濡らせば良い)
3.前髪が短い人はヘアジェルを前髪部分につけてくしでコーミング
4.前側部分、後ろ部分、サイド部分と何回もコーミングして整えていく(後ろの部分がたるんでしまうので頭は上向き加減)
5.ポニーテールで縛る位置は、横から見てあごと耳の上を線で引いた延長線上
6.縛るゴムはひも状の長いゴム(50㎝くらい)を半分に折って2本にして持ち、縛る位置で2、3回巻き付けてギュッと引いて結ぶ(ほどけないように)
7.ポニーテールの毛先をシニヨンネットの中に入れ、手でどら焼きの形になるようにまとめていく(最初に毛先に水やスタイリング用ウォーターをつけないのは、この時形がゴワゴワになってしまうので)
8.シニヨンネットの中の髪の毛をなるべく平たく潰して、頭のラインに沿うようにくっつける
9.Uピンで6ヵ所ほどすくい止めする(Uピンを立ててシニヨンの端に当て、地の髪の毛をすくうように倒しながら中心部に向かってさす) この時、Uピンでシニヨンを中心に押していかないように広げた状態をキープしてさすだけにする
10.Uピンとシニヨンを一緒にヘアピンで止める(Uピンに対して斜めにヘアピンを止める) この時もヘアピンでシニヨンの形を崩さないように注意する
11.おくれ毛などをくしでまとめ、短い毛が気になる場合はヘアピンでとめ、全体的に軽くヘアスプレーをかける
発表会では髪飾りを付ける場合が多いです。
あまりスプレーやジェルで固めてしまうと髪飾りを付けるヘアピンが髪の毛にささらないので、彫刻のように固めないようにしてください。
固まってしまった場合、水などで濡らすと、くしでコーミングしたりヘアピンもささるようになります。
発表会でここまで固めてしまうとお風呂でいきなりシャンプーしても綺麗には洗うことができません。
シャンプーの前にリンスで1回洗い流してから、シャンプー→リンスと洗ってみるといいかなと思います。
<普段のレッスンでのシニヨン>
発表会では、このようにまとめ上げますが、普段のレッスンではジェルやスプレーなどは薄く髪の毛がばらけない程度で大丈夫と思います。
ただし、おくれ毛がバラバラ落ちてきたり、前髪がある場合には、ヘアピンなどでしっかり止めてください。
小さいお子様の場合、髪の毛が垂れて顔や身体に触ると気になってしまい、手で何回も触りたくなってしまいます。
可愛らしいヘアピンやヘアクリップ、ネットなどで普段のレッスンから髪の毛をシニヨンにまとめて、『今からバレエのレッスンを頑張る』という気持ちを持たせてあげることも大切だと思います。
大人の方でも、背中から首筋までのラインが綺麗になると背中の余分なお肉や、連動して腹筋も使って引き締まった身体になってきます。
バレエは身体全体で踊りますので、理想のバレリーナの姿を目指してまずは髪の毛をまとめ上げることから頑張ってみてください。
レッスンで鏡を見た時にスラッとした姿になれるようにという意識が芽生えてくると思います。